愉しみ

2011 年 3 月 8 日

 19年目のJリーグ第1節が終わり、例年にない位にJリーグが盛り上がっていると感じるのは気のせいだろうか。

 先人たちが築いた通信網の発達のお蔭で今や世界中のサッカーがテレビ観戦出来るとしても、自国のサッカーリーグに関心が徐々に集まり始めているのは嬉しい限りである。「Jリーグバブル」と呼ばれた時代には遠く及ばなくとも、しかし、もっと深い意味でサッカーというスポーツを理解し始め、ホームチームのサポーターはスタジアムに積極的に足を向け、アウェイスタンドで応援するアウェイサポーターは遠路はるばる我がチームを応援をしに来ている姿には毎回、頭が下がる思いである。
 Jリーグバブルと呼ばれた時代は、良く云えば「勢い」であったし、悪く云うのなら「流行り」であった。バブルが弾け「勢い」も無くなり、「流行り」でもなくなった日本サッカーという土台を支え続けた根底には海外に挑戦の場を移したスター選手の存在であり、日本代表でもあった。
 スター選手は去り、期待の外国人監督が病に倒れ、日本人監督にバトンが渡ると2010年はどん底のサッカー人気、ワールドカップというサッカー最高の舞台でベスト16という奇跡に近い躍進で凱旋し、ドイツに渡った香川真司が躍動し、新外国人監督を迎えアルゼンチン相手に大金星を挙げ、アウェイで宿敵韓国に引き分け、2011年に入り迎えたアジアカップも優勝という最高の結果で大会を終えた。これで毎年の様な在り来りな開幕なら、といった心配も良い意味で裏切ってくれた。
 観戦した試合のスタジアムを包む熱が素晴らしかったし、何よりホームチームの意地が感じられた。サポーターを一喜一憂させ、サッカーの醍醐味を十二分に味わい有意義な時間を送れたのでは、と思う。
 録画で観戦した試合も今後が楽しみな個人、そして組織を魅せてくれるチームも多々あった。
 まだ、1試合しか終わってないが、中盤以降、願わくば勝ち点が均一な順位表を観たい。勝てば大きく順位を上げ、負ければ順位を大きく落とす様な、毎試合毎試合緊迫感溢れる試合を私は期待したい。そういった緊迫感こそがプレッシャーに強い選手を作る土壌になると私は考えている。
 そして、まるで外様大名の様に扱われているJ2の試合ももっと注目して欲しい。NHKの中継ではJ2のスコア速報も中継していた。素晴らしい事に思う。無論、J2のサポーターもいれば、動向が気になるファンもいる。昔から注目している選手の動向も気にしているファンもいる。民間放送の『続いてJ2です』の放送が5秒10秒の枠では見た気がしないだろう。各テレビ局の都合も勿論分かるが「あそこの番組はJ2もちゃんとやってくれる」という刷り込みがあれば、自ずと視聴率も上がると思うのだが。
 今は故障でドイツのピッチには立ってはいないがアジアカップで日本の窮地を救った香川。「香川の輝きはJ2の土壌が作った」と言っても過言ではないだろう。
 無名選手に注目し活躍を信じ、仲間と議論し、試合を観戦し、無名選手が有名選手になっていくサクセスを楽しむのもサッカーの愉しさの一つでもある。例え、無名な選手が無名のままで終わっても、サッカーの一つである。
 バブルが弾け、少しづつ緩やかに国内リーグのあるべき姿になりつつあるJリーグ。光の見えないトンネルを少しづつではあるが、光が差し込みつつある。後に続く者達の為にもその光を途絶えさせてならない。
 光を永遠に輝かすのも、閉ざすのもサッカーを愛する全ての人達の責任でもある事を忘れてはならない。


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