大工

2011 年 2 月 2 日

ザッケローニが大工だったとするならば、基礎工事に重点を置き、工事中に欠点をみつけては見事に修正し、補い、住みよい家を創る。
大会を拝見し、そんな大工に思った。

「過去の人」と揶揄され続けた監督にとっては、最良で最高の結果になったアジアカップであったであろう。
ある識者が『一夜にして英雄になるのが監督なら、一夜にしてお払い箱になるのも監督』とコメントしている。
しかし、このコメントは必ずしも日本には当て嵌らない。
アジアカップがアジアナンバーワンを決める大会なら、南米ナンバーワンを決める大会は7月に日本代表も参加するコパ・アメリカにあたる。
サッカー王国ブラジルの様な国の場合は「勝ったら天国、負けたら地獄」しかし、日本の場合は「勝ったら天国、負けても天国」であろう。

いままでは。

ザッケローニの成し遂げた功績によって、今後の代表監督に求められるノルマは自ずと「最低アジア制覇」に変わった。
ノルマが、目線が、より高みを見据える。
見据える先の世界のランクアップこそが、私は何より喜ばしく思う。

各クラブの強化のスタンダードが獲得から育成に移行しつつある昨今。
カタールなど、潤沢なオイルマネーを駆使し国を挙げての帰化が行われている国は別にして、多くの国は自国の国民で試合を行う。
若い力でアジアカップを制した日本代表は正しい道を歩んでいる、と言っていいだろう。

ザッケローニが過去にチームを去る際『キャンプからチームと共に過ごす事が出来れば、違ったシーズンとなったであろう』というコメントを目にした事がある。
ザッケローニが、この先何年率いるかは分からないが、シーズン序盤を理想的な形で終えた。
残りのシーズンで、我々にどんな夢を魅せてくれるか。私は期待している。
建て直しの為に招聘されてはシーズンが終わると共にお払い箱にされ続けたザッケローニ。
英雄と呼ぶには、まだ早い気がする。
ザッケローニ政権下、今は無敗だが敗れる日がいつかは来るであろう。敗れたチームの建て直し方、私はザッケローニの修正能力を拝見させて頂きたい。

大会中『日本代表は間違った方向に進んでいる』とか『本田圭佑頼り』とか『守備の選手を投入が多い』等、批判的な記事を目にした。
識者なら守備の構築なしに世界では戦えないのは分かり切っている事。
家で例えるのなら守備は基礎、攻撃は見栄え、試合運びは機能と私は例えたい。
基礎の弱い家など、欠陥住宅に等しい。いや、欠陥住宅そのものである。

欠陥住宅に住みたいのなら、それで良い。
私は遠慮したい。

私はザッケローニは正しい道を歩んでいると確信している。
次は選手達、そして、Jリーグ。
今から開幕が楽しみである。


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