成長

2011 年 1 月 26 日

サッカーというスポーツは通常、90分が終わった時点でスコアが勝っているチームが勝利する。
つまりは相手よりゴールを多く決めたチームが勝利するというスポーツ。
韓国に負け続けてきた我が国にとって、韓国に先制点を許すという事は即、負けに直結した。

「先制点=敗北」

負け犬根性が苔の様にビッシリと蔓延り、何年も何十年も赤いユニフォームに怯え続けて来た気がする。負け犬根性が蔓延っている一方で勝ち続け来た韓国代表には余裕があった。試合前『私は日本を恐れたことは一度も無い、選手時代も監督になっても同じだよ』と韓国代表指揮官がコメントしている。
どんなに悔しくても、血気盛んに挑んでも試合をすると何故か負けてしまうのが従来の日本代表であった。
アジアカップが始まる前までの日本代表なら間違いなく「先制点=敗北」が当てハマっていた。
しかし、不可解な判定や、小さなミスから自ら首を絞める展開があっても準決勝まで勝ち上がって来た日本代表は、かつての日本代表ではなかった。
序盤は韓国を圧倒する。韓国が中2日で試合に臨んでいた事を考慮したとしても最高の入り方をした。と言っていいだろう。
岡崎の惜しいヘディングシュートなど、韓国相手に試合を圧倒する。
が、22分に不運なPKを与えられる。これを決められ0-1。
不運以外の何物でもないPKを韓国に決められても、慌てず、俯かず、試合に集中出来ていたのは大会を通じての日本代表の進化に思う。
36分、本田圭佑のタメから長友佑都ドリブルから前田遼一のゴールで試合を振り出しに戻す1-1。
前半の流れが良かっただけに追加点が欲しい前半であった。
後半に入ると香川真司が絶好機で打てる場面で打たないシーンが2回はあった。
準々決勝の勢いそのままに打って欲しかった。勢いとは時に信じられない結果を生む事を若い香川には是非チャレンジして貰いたい。
追加点を奪えない日本に対し、韓国が選手交代で流れを呼び寄せる。21分の交代である。
ワントップに入っていた10チ・ドンウォンに代わり15ホン・ジョンホを投入。
FWに代わりDF登録の選手が入る後ろ向きな交代に思えたが、この交代がピタリとハマる。
劣勢だった韓国が息を吹き返し、ここから消耗戦と呼べる試合になってしまう。
延長戦を嫌がる韓国に対し、日本は延長戦に備える。この辺りの選手交代はザッケローニの巧さに思う。
延長前半7分に審判からの先制点の謝罪の様なPKを日本が獲得。本田が失敗してしまうのだが、途中交代の細貝萌が押し込み逆転2-1。
延長後半12分に主将である長谷部誠に代わり、本田拓也が投入されるのだが、この交代が最悪の結果を生む。
体力的に余裕のある交代した本田拓がファールで敵を止める。そのファールのFKから同点ゴールを許してしまう。最後のシュートの時も一人遅れている。本田拓には移籍した鹿島アントラーズから「勝者のメンタリティ」を学ぶ事と根本的な意識改革に励んで頂きたい。
PK戦の末、宿敵韓国に久しぶりの勝利を挙げる。川島永嗣の活躍は素晴らしかったが課題もある。味方DFと「お見合い」する場面が多々ある。しっかりとコーチングをしてピンチに備えて貰いたい。カタールにはブブゼラなど無い筈。つまらない失点で負ける試合を経験したらGKとして絶対的に必要な「自信」を失ってしまう。
アジアカップでの日本代表は多くの困難を経験をし、成長して来た。
相手が誰であれ90分間諦めない気持ち、90分を過ぎても諦めない気持ちが成長という、何物にも代え難い財産を日本代表は手にしたと私は思う。
いよいよファイナリストになった訳だがチームとしての課題は勿論ある。一人少ない時や一点を追っている時の方が強い、という課題。嬉しい悩みではあるが、決めるべき展開で決めきらないと終盤に追いつかれるという過ちを犯すという事。直線でゴールを目指すからいい攻撃になるのだから直線でゴールを目指して貰いたい。余裕があると無駄に時間と手数をかけるという90年代後期から続く、中盤で巧い選手が出始めた日本になってから染み付いた悪い癖から一早く抜け出して頂きたい。

AFC会長が『アジアサッカーはレベルが高い』というコメントを耳にした。
たしかに一昔前に比べると数段高いレベルで行われている。
それは選手の話。

ではアジアの審判のレベルはどうか。
アジアの審判のレベル向上にも努めて頂きたい。


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