光と影

2010 年 12 月 6 日

完成された者はいなくても完成された物というのはある気がする。
先月末に行われた「エル・クラシコ」でのFC Barcelona(以下 バルサ)の戦いぶりである。
現代社会では“少し”古い話。

一つ一つのパスに意味がある。と言わんばかりの華麗で繊細なパス回し、パスでズレたレアル・マドリーの守備組織に入り込むバルサの攻撃はソシオの方々で無くとも、多くのサッカーファンを魅了した事と思う。
私はバルサの形こそ現代サッカーの夢の形に思う。

我が国のJリーグは先週、終了を迎えた。
鹿島アントラーズの史上初の4連覇の夢は砕け、ACL出場圏をも最終節で失った。
天皇杯を獲得しなければ、来年のACLは久しぶりの傍観者になるかも知れない。
圧倒的な勝負強さで初のリーグ制覇を成し遂げた名古屋グランパス。
西野 朗長期政権の形を完成させつつあり、安定した強さを誇示するガンバ大阪。
誰もが驚いたのは今季J2から這い上がって来たセレッソ大阪のACL出場圏獲得であろう。
日本チームに珍しくスリーシャドーのドリブラーを擁し、開幕戦こそ0-3と無惨に敗れてしまったが徐々に軌道修正していく。
エースの香川真司を海外に移籍した後も乾貴士、家長昭博、アドリアーノが牽引する攻撃陣は強烈だった。
家長昭博にスペインの強豪チームが接触しているニュースを耳にしたが、大会を前に引き抜かれる様な事があると今季のサンフレッチェ広島の様な事態は免れないであろう。
柏木陽介の穴を埋めきれずACLでの開幕3連敗。
後になって3連勝したとしても刻既ニ遅シと言っていい。
主軸の放出は「賭け」だと私は考えている。
香川真司の抜けた穴を乾貴士、家長昭博が覆う。
乾貴士に至ってはレヴィー・クルピ監督に「真司にあって俺に無いものは?」といった質問を何度も尋ねたそうだ。
私は嬉しく思う。
そのそれこそが良い選手に欠かせない向上心の芽生えだからだ。
もし、香川真司が海外移籍をしなかったら、その向上心も芽生えなかった事と思う。
野洲高校時代から注意深く見続けている選手だけに更なる飛躍を期待したい。

光があれば、必ず影がある。

FC 東京がJ2でのプレーを余儀なくされてしまった。
来年行われるアジアカップ予備登録メンバーへ最多6名が選出されている。
日本代表へ6名もの選手が選出されたチームがJ2へ。
チームの軸と考えていたであろう中盤の底を務める選手が怪我で長期不在になったとはいえ、彼等は勝てなかった。
残念でならない。

バルサは昨シーズン開幕前、鳴り物入りでズラタン・イブラヒモビッチが入団。
29試合に出場し16ゴールを挙げ、昨シーズンのクラシコでも得点を挙げている。
今季はイタリアのAC ミランへレンタル移籍。
2試合に1点を獲るFWがいなくてもバルサはバルサ。
昨季、中盤の底で抜群の存在感を示したトゥーレ・ヤヤが今季イングランドのマンチェスター・シティに移籍。
今季、トゥーレ・ヤヤがいなくてもバルサはバルサである。

私を含め、学ぶべき形はまだ多い。


コメントをどうぞ