一入

2016 年 11 月 7 日

 スペインメディアから「(MFアンドレス)イニエスタ2世」とまで言わしめた才能は、その能力を遺憾なく発揮している。FC東京のイニエスタ2世ことMF久保建英という逸材を目当てに、およそ7653人もの観客と100を超えるメディアが5日、スタジアムに詰めかけた。

 バルセロナのスカウトに見出され2011年スペインに渡り、世界有数のカンテラ(下部組織)で2015年まで主力として活躍。チームの不祥事によって日本に戻ってきた。

 その才能は疑いようもなくU-16日本代表にも選出され、来年開催されるU-17W杯出場を懸け今年9月にAFC U-16選手権に出場し、大会得点ランキング2位となる4得点を記録。2大会ぶりのW杯出場権獲得に貢献している。

 久保は5日の試合でJリーグ史上最年少出場記録を更新。計り知れない能力を秘めた日本サッカーの才能は今後どのような足跡を残すか、楽しみにしたい。

 U-16世代に続き、U-19日本代表も来年開催されるU-20W杯出場権を懸けたAFC U-19 選手権を初制覇し、5大会ぶりに切符を掴んだ。U-16、U-19両世代は近年W杯を逃し続け、日本サッカーの育成を危惧された世代だっただけに日本サッカー関係者を含め、ファンの感慨も一入(ひとしお)だろう。

 今年8月に開催されたリオデジャネイロ五輪では、惜しくも決勝トーナメント行きを逃したU-23日本代表も今年1月にアジア王者に輝いている。それらのことを踏まえ、U-19日本代表を率いる内山篤監督は「日本の育成プログラムは順調」と胸を張る。

 たしかに順調この上ない。また来年U-20W杯を戦う彼らは、2020年東京五輪を戦う世代だけに世界を肌で感じる絶交の機会になる。

 ではA代表はどうだろうか。

 ヴァヒド・ハリルホジッチが2015年3月に日本代表監督に就任すると、縦に速く、雪崩を打つように相手ゴールに迫る日本の姿がそこにあった。だが、最近では鳴りを潜めるようになった。

 実際、就任から3試合目の2015年6月のイラク戦では4−0で完勝。だが1年4ヶ月後の先月、同じ相手に後半アディショナルタイムに2−1で勝利している。劇的勝利とは聞こえは良いが、いかがなものだろうか。

 今月、2018年ロシアW杯の最終予選の山場となるサウジアラビア戦を迎える。昨今ふるわなかった中東の雄を復活させ、指揮するのは元オランダ代表監督のベルト・ファン・マルヴァイク氏だ。2010年南アフリカW杯では準優勝に導いている。

 サウジアラビアのように、世界有数の名将を招聘すれば日本の進化は約束されるだろうか。

 もし、U-19世代を初のアジア王者に導いた内山監督の言う「日本の育成プログラムが順調」ならば、いつまでもA代表だけ外国人監督に任せて良いのだろうか。果たして日本の若い才能たちは、従来通り、外国人監督の元で輝けるのだろうか。


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