画餅

2016 年 8 月 1 日

 アトランタ(1996年)から5大会連続でオリンピック出場を果たしているU−23日本代表だが、グループリーグを突破した大会はわずか2回しかない。

 シドニー(2000年)、ロンドン(2012年)の2大会だが、両世代ともグループリーグ初戦に勝利しているのは偶然ではないだろう。8月4日に開幕を迎えるリオデジャネイロオリンピックも初戦での勝利がメダルへの第一関門となる。

 ロンドンでは44年ぶりのメダル獲得を目前に迫ったが、韓国に敗れ4位に終わる。釜本邦茂氏を擁した1968年メキシコオリンピックの銅メダル獲得以来、毎回メダルを期待されるが48年が経った現在でも先人を越えられていない。

 アトランタ大会でブラジルを破った日本代表を率いた西野朗監督がブラジルを1−0で破り、のちに“マイアミの奇跡”と呼ばれる金字塔を打ちたてのは1996年のことだ。

 その当時にこの世に生を受けた子どもたちは、今年20歳になる。この奇跡を明確に記憶している“リオ世代”の選手たちはオーバーエイジ枠を除けば、ほとんどいないはずだ。

 現地時間30日、U−23ブラジル代表と日本代表は戦い2−0で完敗を喫した。試合開始から互角に戦い、GK中村航輔のファインセーブもあり無得点のまま試合は進む。

 前半30分、暑さによるパフォーマンス低下を防ぐため設けられた2分間の“クーリングブレイク”終了直後の33分に失点。それまでの集中力がウソのように途切れ、ドリブル突破で中央を打ち破られた。その8分後に追加点を許し、試合は決した。

 多少の不運はあったとしても失点後に日本選手たちは意気消沈し、手を打つなど鼓舞する姿勢が見られなかったのがなんとも残念に映った。

 ブラジルは初の金メダル獲得に本腰を入れている。オーバーエイジ枠でバルセロナに所属するFWネイマールを招聘。日本戦でも風格があり、違いを作り、チームの潤滑油にもなっていた。辛口で知られるブラジルメディアも同国のスーパースターをこぞって称賛している。

 U-23日本代表がリオデジャネイロオリンピックで成功を納めるには、初戦のナイジェリア戦での勝利が必要不可欠だが、失点しないとも限らない。かりに不測の事態に陥ったときにうなだれているようでは48年ぶりのメダルは画餅に帰す。

 日本代表の幾人かの選手たちがブラジルに飛び立つ前「金メダルを目指します」と口にしていた。だが、金メダルを目指すブラジルとの真剣勝負に“現在地”を知れたはずだ。

 有言実行は困難だが、折れない心でメダル獲得を目指して欲しい。銅メダル獲得でも準決勝に敗れたあと3位決定戦を戦い、それに勝たなければならない。その意味では5日のナイジェリア戦は、チームの屈強さを試される最高のシチュエーションになる。


コメントをどうぞ