損失

2016 年 7 月 5 日

 たとえサッカーの知識が乏しくてもクリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシの名前は全世界が知っているはずだろう。いまさら説明不要の両者は苦悩の真っ只中にいる。

 前者は米国フォーブス誌が発表した資産価値36億ドル(約3913億円)で堂々の1位に立つレアル・マドリーのエースだ。後者は35,5億ドル(約3859億円)で2位に立つバルセロナのエースである。

 C・ロナウドは2015/2016シーズンのUCL(欧州チャンピオンズリーグ)制覇に貢献。現在はフランスで開催中のEURO(欧州選手権)ではポルトガル代表の主将としてベスト4に進出している。現地時間6日に決勝進出をかけウェールズ代表と準決勝を戦う。

 メッシはUCLではアトレティコ・マドリーに敗れ、大会ベスト8で姿を消すも国内のリーグ戦とカップ戦を制し“2冠”を達成。シーズン終了後にはアメリカで開催されていたC・A(コパ・アメリカ)にアルゼンチン代表の主将として出場したが準優勝に終わった。

 圧巻の活躍をみせた。

 グループリーグ初戦のチリ戦を怪我で欠場するも二節のパナマ戦では後半17分にピッチに立つと、わずか30分足らずでハットトリックを達成し、5-0の勝利に貢献。千両役者らしく、格の違いをみせつけた。

 最終節では3-0となった試合状況で投入されると、得点こそなかったがGKの股を抜く“妙技”をみせる。だがオフサイドのため“幻”に終わった。大会準々決勝ベネズエラ戦、準決勝アメリカ戦では先発フル出場を果たし、1点ずつ決める。

 決勝戦のチリとは120分を戦いスコアレスドローに終わり、PK戦に突入する。1人目を任されたメッシと4人目のMFルーカス・ビリアが外し、23年ぶりの大会制覇が露と消えた。

 試合直後に現在29歳のメッシは代表引退を示唆。

 所属するバルセロナでは通算28回のタイトルを獲得した天才FWも、アルゼンチン代表では優勝には縁遠い。メッシはこれまでワールドカップ1回、C・A4回、コンフェデレーションズカップ1回と計7回の準優勝に終わっている。

 バルセロナの“ブラウ・グラーナ”の縦じまでは神に愛されたように多くのタイトルに恵まれるが、アルゼンチン代表の“セレステ・イ・ブランコ”の縦じまでは神に怒りを買ったかのような罰を受けている印象が濃い。

 C・ロナウドとメッシはピッチを離れると、笑顔で話し合う間柄なのはよく知られている。“友人”の現役引退の報を受け「(C・A終了後の)彼の涙を見るのは痛ましかった。だが、僕は彼の第二の人生を理解している」と同情を寄せる。

 アルゼンチンで生まれ、バルセロナで開花したメッシのセレステ・イ・ブランコのユニフォーム姿はもう二度とみられないのだろうか。サッカー界にとってあまりにも寂しい損失になる。


コメントをどうぞ