巨額

2016 年 4 月 5 日

 先月24日と29日に2018年ロシアワールドカップ・アジア2次予選を戦ったFW岡崎慎司は、アフガニスタン戦では代表通算48得点目を決め、シリア戦では代表通算出場100試合目のピッチを踏んでいた。

 この日本代表FWが所属するレスターは、イングランド・プレミアリーグ史上途方もない大記録を打ち立てようとしている。

 3日、レスターはサウサンプトンに1-0で勝利し、2位トットナム・ホットスパーが前日に引き分けていたため、両者の勝ち点差は「7」にまで広がりプレミアリーグ初優勝が日々近づいている。

 イングランドの国内リーグは1888年に産声をあげ、1992年に衛星中継の放映権により莫大な富を得ることになる大改革があり、現在の「プレミアリーグ」が発足される。

 巨額の金が動いた結果、プレミアリーグ発足から現在までの23年間でマンチェスター・ユナイテッド、ブラックバーン・ローヴァーズ、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、の5クラブしか優勝できていない。

 ブラックバーンは1994/95シーズンの1回のみで、他は4クラブの独占状態にある。イギリスメディアが報じた2013/14シーズンの人件費をみると1位がユナイテッドで387億円、2位はシティの368億円、3位はチェルシーの346億円、4位はアーセナルの298億円と続いている。

 レスターは20チーム中19位の65億円である。この人件費を見ただけでも約4分の1で戦っている今シーズンのレスターの躍進は、途方もない大偉業だと分かるはずだ。

 この結果、英ブックメーカーが悲鳴を上げている。

 レスター優勝の開幕当時のオッズは5000倍だった。優勝した場合、大手ブックメーカーは約16億1000万円を支払わなければならない。また25人が賭けているというからチーム愛を感じるニュースである。

 仮に800円を賭けているファンでも、優勝すれば416万円が手に入る。ブックメーカーは今シーズンの後半戦が始まる1月に「半額」で払い戻しを応じているが、ほとんどのファンは拒否しているという。レスターの優勝はファンには夢のような話だが、ブックメーカーにとってまさに悲劇だ。

 夢を牽引する岡崎は、イングランドでは「肺が破れるほどのハードワーク」「献身的な」という論評が目立つ。その一方で、現在は5得点だが目の覚めるようなオーバーヘッドでチームの勝利に貢献し、着々と初優勝に近づいている。

 ドイツ・マインツ時代には、非凡な得点感覚を発揮し、2シーズン連続となる二桁得点を決めている。欧州に渡った歴代の日本人の中で、この記録は岡崎のみである。

 「日本人らしいサッカー」に答えは出ていない。ひょっとしたら、プレミアリーグで岡崎が体現しているサッカーに答えがあるのではないだろうか。
 残り6試合に注目したい。


コメントをどうぞ