本質

2016 年 3 月 5 日

 24年目のJリーグが開幕した。
 世界中を見回しても、あまりにお目にかかることのできない出来事が開幕戦で起きた。J1の9試合中、ホームで開幕をむかえたチームがサガン鳥栖以外すべて負けたのだ。引き分けは1試合もない。つまり、アウェイチームの8勝1敗である。

 これまで日本は、勝利によってその競技の“市民権”を得てきた。

 かつては2008年ロンドン五輪で金メダルを獲得したソフトボールがあり、その後に2011年女子W杯優勝が思い当たる。直近では、昨年のイングランドで開催されたラグビーW杯での南アフリカから奪った金星が思い出される。

 その人気を持続させる方法は、勝ち続ける以外ない。勝つことによって競技の人気は高まってゆくものだが、結果がともなわなくなると熱が冷め飽きられていくのは競技人気の本質だろう。日本の場合いささか、熱しやすく冷めやすい傾向が多分にある。

 1993年のJリーグ開幕時にあった爆発的な人気は、現在はない。なくとも地道な活動でファンを獲得しているチームは、日本に数多く存在する。J1に限らず、J2も、今月13日に開幕を迎えるJ3も例外ではない。Jリーグ開幕を心待ちにしていたファンの数が爆発的に多くなくとも、決して少なくないのだ。

 それでも今季のJ1開幕戦では、9チーム中8チームがホームスタジアムに集まったファンたちに開幕戦勝利をプレゼントすることができなかった。逆に、「内弁慶」という言葉が日本にあることを考えると、アウェイチームには評価できる部分があるはずだ。

 欧州や南米にみるスタンドからのすさまじいほどの圧力はなくとも、Jリーグのスタンドからも行き過ぎた行為も時として見受けられるが、アウェイチームに圧力をかける風習が昨今は文化として根付き始めている。

 それでもACL(アジアチャンピオンズリーグ)では、奮わない。

 日本から4チームが出場し、グループリーグ第2節終了時で8試合を戦い2勝2分4敗である。サンフレッチェ広島のみがホームで敗北を喫しているが、ホームで負けにくいメンタリティーをJリーグのチームが持ち得たと評価できなくない。

 ところが、アウェイでは3敗を喫している。アジアの王者に奪還するには「ホームでは絶対に負けられない」、「アウェイでは最低でもドロー」という気概が必要になってくる。

 現在、世界中を魅了しているバルサことFCバルセロナでさえ勝てなかった時代がある。文化の継続で、現在の地位がある。

 Jリーグ開幕戦を落としたチームのファンたちが「二度とスタジアムに来ない」と思わず、「次、頑張ろう」と思えるか、に懸かっている。そう思えるかは、応援してくれるファンに恥ずかしくない試合をするしかない。

 その継続に懸かっている。


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