傑出

2016 年 2 月 23 日

 「爆買い」が止まらない。中国人旅行客が、日本での最初の買い物は新品のトランクだそうだ。そこに日本製の“おみやげ”を限界まで詰め込んで本国に持ちかえるという。

 この流れはサッカー界にも派生し、欧州のビックネームが中国サッカー・スーパーリーグに続々と加入している。つい先日まで欧州のビッククラブが補強候補にあげていたパリ・サンジェルマン(フランス)のアルゼンチン代表FWエセキエル・ラベッシが河北華夏幸福へ加入する。

 今年の6月に契約満了のため移籍金は発生しないが、年俸19億円という破格の待遇で河北華夏幸福はアルゼンチン代表FWを迎える。ラベッシ以前には、欧州の移籍マーケットが開放される1月の期間に江蘇蘇寧はシャフタール・ドネツク(ウクライナ)から約65億円でMFアレックス・テイシェイラを獲得している。

 ほかにも昨シーズンのACL(アジアチャンピオンズリーグ)王者、広州恒大はブラジルW杯で日本と対戦したときにもピッチに立ったコロンビア代表FWジャクソン・マルティネスを約53億円でアトレティコ・マドリーから獲得し、河北華夏はASローマからコートジボワール代表のFWジェルヴィーニョも約23億円で引き抜いている。

 特筆すべきは、どの選手も欧州の第一線で活躍できる才能ばかりを引き抜いていることだろう。ちなみに、多くのJリーグのクラブは前途のジェルヴィーニョの移籍金にも満たない金額で、年間運営をしていることを記しておきたい。

 23日にはACLが開幕を迎え、日本からはサンフレッチェ広島、ガンバ大阪、浦和レッズ、FC東京が出場する。前途の江蘇蘇寧はFC東京と、広州恒大は浦和とグループリーグで同居している。

 サッカーは1人ではできないスポーツだが、安心してボールを預けられる傑出(けっしゅつ)した才能の存在はチームに安定感をもたらし、チーム力を飛躍的に向上させる。噛み合えば、の話ではあるが、今後も中国の「爆買い」がつづけばJリーグにとって驚異になりつづけるだろう。

 Jリーグは27日、開幕を迎える。

 20日に開催された、前年のJリーグ王者と天皇杯王者とで争われるゼロックス杯は広島が大阪を3-1で下し2年ぶり4回目の優勝を果たした。広島は若手、中堅、ベテランが噛み合った安定した力で盤石の勝利をおさめている。

 今季の優勝候補筆頭は広島で揺るぎないが、サッカーの母国では興味深いできごとが起こっている。FW岡崎慎司が所属するレスターの大躍進である。降格圏をあらそうと思われたチームは、現在プレミアリーグの首位に立っている。

 J1は現在2ステージ制のため勢いはそがれ、レスターのような躍進はきびしくとも、年間で争うJ2、J3ではどのチームでも起こすことは可能なはずだ。


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