哀悼

2015 年 11 月 26 日

 フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が世界各地で斉唱されている。

 13日にフランス・パリで起きた同時多発テロのため、安全を考慮して中止になる試合が多くあった。一方で「中止にすればテロに屈したことになる」と試合を続行した国もあり、その際は犠牲者の追悼のため試合前にはラ・マルセイエーズが斉唱されている。

 その日は、パリにあるスタッド・ドゥ・フランスでフランス対ドイツの親善試合が行われており、前半15分頃に最初の爆発音が聞こえるが試合は続行された。スタジアム付近で自爆テロが発生したが、主催者側の判断により試合は続行され2−0でフランスが勝利している。

 試合を中止し観客をスタジアムの外に出すより、警備が行き届いたスタジアム内に留めることを選択する。試合終了後には観客たちがピッチ上に避難する緊迫した状況になるが、時間の経過とともに少人数ずつスタジアムから退出させる策をとる。

 ドイツ代表の選手たちは安全を考慮しスタジアム内で一泊する。この措置にみかねたフランス代表の選手たちも、ドイツの選手たちとともに一泊することを選択したのは今後も語り継がれていくべき美しい逸話になるはずだ。

 17日、多くの親善試合が中止にされるなかイングランド対フランスがサッカーの聖地イングランド・ウェンブリースタジアムで開催される。スタジアムに詰めかけた71,223人がフランス国旗をはためかせ、ラ・マルセイエーズを敵味方の垣根なく斉唱されたのは悲劇を少しでも中和してくれるだろう。

 再開されたフランス国内リーグでは、全試合開催前にラ・マルセイエーズが斉唱されスタンドは熱唱し、涙ながらに斉唱する選手も見受けられた。リーグ3連覇中のパリ・サンジェルマンを率いるローラン・ブラン監督は「試合をしなければ、テロリストの思うつぼだ」とメディアに公言している。

 イタリアでもフランス人選手が所属するユベントスとACミランの試合前には、セリエAアンセムはこの日は流されず、ラ・マルセイエーズが流されスタンドには「FORZA FRANCIA(がんばれフランス)」の手書きのフラッグが掲げられていた。

 現在のサッカー界を代表するFWクリスティアーノ・ロナウドは「パリでの悲劇に無関心でいられないよ」とコメントし、FWリオネル・メッシも「みんなに中にある愛と平和の精神こそが世界を一つにする唯一の方法だと思う」と哀悼の意をSNSで発信している。

 今後も試合前にはラ・マルセイエーズが斉唱され、黙祷があり、おごそかな雰囲気が作られる。2011.3.11が起こったときも「われわれは日本と共にいます」といったメッセージを世界中から届いたのは古くはない記憶のはずだ。

 無慈悲に、突然、命をうばわれた犠牲者は現在130人を超えている。


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