鬱憤

2015 年 8 月 8 日

 2年前、韓国で行われた東アジアカップ2013では初戦の中国に3-3で引き分け、つづくオーストラリアには3-2で逆転勝利し、勝ち点4で韓国との“決勝戦”となる三戦目をむかえていた。

 韓国を2-1で下し、先制点と決勝点を叩き込んだFW柿谷曜一朗は、日本の優勝に貢献し大会得点王にかがやく活躍をみせた。柿谷はこの大会を機に日本代表の常連となり、翌年に開催されたW杯ではブラジルのピッチを踏んでいる。

 では、大会を制覇した2年前の日本代表にあって、現在の日本代表にないものはなにか。

 監督が異なれば、戦術も、選手も、変わってくる。アルベルト・ザッケローニ前監督も今大会同様に国内組のみで戦った。また、今大会には強豪オーストラリアが参加してない。

 それでも優勝をなし遂げた原動力には、選手たちが「日本代表に定着」といった気概(きがい)があったはずだ。

 当時の日本代表は海外組中心にチームが編成され、国内組はたとえJリーグで活躍しても“お呼び”がかからない、そんな時代だった。そのなかで数少ない国内組だったDF今野泰幸やMF遠藤保仁はチーム戦力の底上げのため招集を見送られていた。

 そうして組まれた日本代表は、韓国の地で鬱憤(うっぷん)を晴らすかに躍動した。翌年にひかえたブラジルW杯への出場へのアピールもあり、多少“空回り”した場面もあったとしても3戦をたたかい2勝1分で終え、大会通算8得点6失点という“殴り合い”の結果がそれを物語っている。

 また攻守にリーダーがいた。攻撃を牽引したのは柿谷だったし、守備を牽引したのはMF山口螢だった。山口はこの活躍がみとめられ大会MVPに選出されている。選手たちからは「代表定着」への気概が感じられた。

 では、今大会はどうだろうか。

 5日、韓国に1-1で引き分け大会通算1分1敗。大会直前に怪我や病気のため数名が辞退したとはいえ、大会連覇をめざしたチームはここまで2得点3失点、そして未勝利に終わっている。

 ヴァヒド・ハリルホジッチは日本代表を任される以前、相手によってシステムを変え、アルジェリア代表を率いて戦ったブラジルW杯では4-2-3-1、4-3-3、5-4-1といったシステムを試合ごとに使い分け、大会ベスト16に導いている。

 日本代表ではこれまで4-2-3-1、4-3-3といったシステムしか試してないし、チームが生き返るような選手交代もまだない。また、チームを叱咤激励するようなリーダーシップを感じさせる選手も見当たらない。そのためか、試合内容にどこか一体感がないのが現状ではないだろうか。

 サッカーは言うまでもなくチームスポーツのはずだ。9日の中国戦をチームとしての目的と一体感を感じさせる試合を期待したい。その先に勝利があるはずだし、今後にも繋がるはずだ。


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