瓢箪

2015 年 7 月 8 日

 2011年、ドイツ・フランクフルトのヴァルトシュタディオンのピッチでなでしこたちは首から金メダルを下げ、W杯トロフィーをかかげ歓喜の輪をつくっていた光景を昨日のことのように覚えているファンは多いはずだ。

 勝者がいれば敗者がいる。

 その光景を同じピッチで拍手し、一番にがにがしい気持ちで称えていたのは女子サッカー界の“絶対王者”であるアメリカ代表の選手たちだったはずだ。翌年のロンドン五輪決勝戦では、W杯王者を沈めオリンピックで“リベンジ”を果たしている。

 女子サッカーの国際大会の歴史は古くはない。

 女子W杯は1991年の中国大会から、オリンピックは96年アトランタ大会から発足している。アメリカはW杯制覇3回、準優勝1回、3位3回、つまり全大会で3位以上の記録を残している。オリンピックをみても2000年のアテネ大会の銀メダル以外、すべて金メダルを獲得している。

 その絶対王者に日本は4年前に土をつけただけでも価値がある。

 その4年後の今回のカナダ大会でも両者は決勝戦で相まみえたが2-5の日本の完敗に終わった。先制点のセットプレーは圧巻だった。

 平均身長、体格で上回るアメリカが空中戦ではなく、足元にボールを蹴りこんだ。瓢箪(ひょうたん)から駒のようなグラウンダーのCKは、なでしこたちの出足を鈍らせた。ましてや開始3分、開始早々にゆるした先制点は想像以上に堪えたはずだ。鳩が豆鉄砲を食ったように2分後、似たような形のFKから追加点を許している。

 日本を徹底的に研究していたことを考慮すると、ドイツでの経験がアメリカを変えたのかもしれない。

 実際、男女を通じてアメリカ代表最多得点183点の記録をもつFWアビー・ワンバックはオリンピックの金メダルを獲得した経験はあっても、W杯の金メダルの獲得経験はなかった。

 今大会の決勝戦を前に「ドイツW杯決勝戦の日付を一日も忘れたことはなかった」と語っている。2003年から同国エースを務めてきたエースでもW杯制覇は悲願だった。

 次回、W杯にならぶ国際大会であるオリンピックが来年おこなわれる。大会最年長29,5歳の平均年齢だったアメリカは、来年行われるリオデジャネイロ五輪では世代交代が行われるだろう。

 まず日本は来年3月に行われるアジア最終予選を突破し、出場権確保したい。そして次回、アメリカと対戦するときにはセットプレーに対する気構えもあるはずだし、今回の敗戦から何らかの対策をたてられるはずだ。

 2回目のW杯制覇を経験した40歳のDFクリスティ・ランポーンは85分に決勝戦のピッチに立ち、花道をかざることに成功している。そんな光景を可能ならば日本でも見たい。MF澤穂希はW杯制覇の経験はあるがオリンピックの金メダル獲得はない。


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