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2015 年 7 月 3 日

 FIFA女子W杯カナダ大会のファイナリストが決定した。2011年のドイツ前回大会と同じ組み合わせ、大会連覇を目指す日本と雪辱に燃えるアメリカに決まった。

 20回を数える男子W杯をみても、連覇した国、連続して決勝戦に進出した国はあっても、連続して同じ組み合わせの決勝戦はたったの1回しかない。1986年のメキシコ大会と1990年イタリア大会のアルゼンチンと西ドイツのみで1勝1敗という結果で終えている。このときのアルゼンチンには天才ディエゴ・マラドーナがいた。

 7回を数える女子W杯では連覇はあっても2大会連続での決勝戦同一カードはない。2012年のロンドン五輪決勝戦でも相まみえた両国だったがこのときはアメリカが2−1で勝利している。

 カナダより南に下ると、南米チャンピオンを決めるコパ・アメリカ2015がおこなわれており、開催国チリとアルゼンチンの決勝戦が5日行われる。

 日本でも馴染み深いドゥンガ監督が率いるブラジルは、就任したから無敗を維持して大会入りしたが準々決勝でパラグアイにPK戦の末に敗れ、ベスト4入りをのがした。

 ここで珍しいことが起こった。

 ベスト4入りしたチリ、ペルー、アルゼンチン、パラグアイは皆アルゼンチン人が監督としてチームを率いていた。どの国も母国語はスペイン語であり、通訳もいらず、言語にこまることはない。

 現在のチリを強豪国にしたのは、同国サッカー連盟の尽力もさることながら、現オリンピック・マルセイユ(フランス)を率いるマルセロ・ビエルサの手腕によるところが大きい。4年前にチームを離れたが、現在でも戦術と選手の配置は“名残り”を感じさせる。あまりに偏屈な行動から「狂人」という“愛称”をもつアルゼンチン人だ。

 2014年ブラジルW杯で久しぶりに躍進したコロンビアは、今大会では準々決勝でPK戦の末、アルゼンチンに敗れた。率いたのはホセ・ペケルマン、この人もアルゼンチン人。母国代表のユース世代を率い、同世代のW杯では3回の優勝し、このときの選手たちのなかにFWリオネル・メッシなどがいて、他の選手も現代表の中軸のみならず世界のサッカーシーンをも彩っている。

 コロンビアの母国語もスペイン語だが、監督の言葉を、通訳を介さず選手に届けられるのはメリット以外のなにものでもない。女子アメリカ代表を率いるイングランド人のジル・エリスは英語を母国語とし、なでしこを率いる佐々木則夫監督は日本語を話す。

 世界の頂点、大会の頂点をめざすのならば、結果をのこした監督の継続性と共通の言語でたたかうことがどれほど有利なのかは、男女のW杯でもコパ・アメリカでも示している。

 なでしこたちが大会連覇を達成すれば、今後の男子の監督選考にも変化があるはずだ。


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