利点

2015 年 6 月 26 日

 そもそも物議はあった。それを日本サッカー協会は素知らぬ顔をして見切り発車ともいうべき2ステージ制を断行し、3月には今季のJリーグ開幕を迎えた。

 20日、浦和レッズがヴィッセル神戸のホームスタジアムで1−1で引き分け、勝ち点1を積みかさね今季のファーストステージを制覇した。今季のレッズは勝つべく試合に勝利し、勝ちに等しいドローゲームで勝ち点1を拾ってきた。この無敗優勝は、後世まで語りつがれる偉業になるだろう。

 観客動員数では他の追随(ついずい)をゆるさず、そこに十分すぎる結果がついてきた。他チームにとって「レッズ」は王者であり、これからは「倒せば波に乗れるチーム」になったことは想像にむずかしくない。この文化はどの国のサッカーリーグにも存在する。

 ヴィッセル戦後の表彰式では、スタンドからブーイングが起きたのは周知の事実だろう。

 村井満チェアマンがピッチに姿を現した瞬間にブーイングを浴びせ、レッズの主将MF阿部勇樹に年末に行われるJリーグチャンピオンシップの招待状を手渡し、ピッチから退くと水を打ったようにスタンドは静まり返った。

 ブーイングにリハーサルはない。

 ファンの民意であり、また敵意の表れだろう。20日、神戸のノエビアスタジアム神戸で起こったブーイングは“誰に”向けられたものなのかは明白だ。しかし、2ステージ制になったことはファーストステージを逃したチーム、下位に沈んでいるチームにとっては“朗報”だろう。

 7月11日から始まるセカンドステージでは、どのチームにも優勝のチャンスがあるのは見逃せない。スタートダッシュに失敗したチームはセカンドステージで挽回する機会があるのだ。

 ただ、レッズだけは面白くない。ファーストステージの流れを打ち切られてセカンドステージを戦わなければならず、たとえ優勝してもチャンピオンシップを戦わなければならず、トーナメントで負けた瞬間に年間王者の資格を失ってしまうのは面白くなく、また「まどろっこしい」限りだろう。

 ただ、利点はある。

 チームに、個人に、勝負強さは身につくはずだ。そもそも日本の得点力不足は先日のシンガポール戦に始まったことではない。奇しくもレッズはほぼ日本人で構成されるJリーグでは珍しいチームである。それを解消するには「負けたら終わり」といった緊張感、重圧、そして試合の流れを読んだ駆け引きが必要になってくる。

 また、今季のACL(アジアチャンピオンズリーグ)では柏レイソルが2年ぶりに、ガンバ大阪が7年ぶりにベスト8に進出している。国内で無類の強さをみせたレッズはグループリーグを突破できず1勝1分4敗で敗退しているのは見逃せない事実である。ここを解消したい。


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