偉人

2015 年 4 月 16 日

 日本プロ野球史上唯一の3000本安打を達成している張本勲氏が「もうお辞めなさい」と“キングカズ”こと三浦知良に現役引退をうながした。

 野球界のレジェンドの発言に眉をひそめるファンが多い中、サッカー界のレジェンドはこれを激励と受け止め「引退しなくてもいいよ、って言われるくらい、もっと活躍しろ、ってこと」と、対応したことに多くの賞賛が贈られている。

 また、張本氏は現在J2の舞台で戦うカズに「野球でいえばJ2は二軍」と話題性の欠如をあげ「伸びざかりの若い選手が出場できない」と“循環”をうながしている。

 カズのサッカーへ情熱と高いプロ意識はかならず若手の手本となり、おおくの選手たちが慕う人間性などを考慮するとどれも当てはまらないし「J2を二軍」の発言は、見方によってはプロ野球にはないJ2やJ3という制度への嫉妬に聞こえなくもない。

 カズが非難され即座に憤慨(ふんがい)したファンが多かったのは、御年48歳にして「もっと巧くなりたい」と熱っぽく語り「W杯のピッチに立ちたい」と公言してはばからないことも理由の一つだろう。

 1998年、フランスW杯メンバーに確実視されていただけに直前での落選は衝撃的な出来事として、ファンでなくとも多くの日本人の記憶を色濃くしているのだろう。

 2018年ロシアW杯アジア二次予選の対戦相手が決定し、シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアが同居するE組に入った。この結果を受け、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、やさしいグループに入り安堵した上で「我々のレベルにない」と言い切った。

 謙遜(けんそん)を美徳とする日本人としては、同監督のコメントは意に反するものだが、だからと言って相手の出方が変わることはない。日本に対し、挑戦者として向かってくることを予想した上でのハリルホジッチ流の意識改革なのかもしれない。

 改革は止まらない。「Jリーグの審判の笛が日本人の球際の弱さを招いているのではないか」とリーグの実行委員会の会議において新たな変化を訴えている。

 会議だけではなく「日本人の長所と短所をさらに知るために」と、探究心を欠くことなく18歳以下のユースの試合を視察している。「レベルアップのためにはすべての年代が向上しなければならない」と、若い選手でも催促を忘れないのも今後の改革が楽しみな監督である。

 カズがブラジルに渡った1982年より交通の便をはじめ、世界はより近くなっている。第二のカズが出てくる可能性は限りなく低い。W杯初出場に貢献しながらもその大舞台に立てなかったことを無念としながら、現在もそのピッチに立つことを夢見ている。

 偉大なる先人が立てなかった6回目となるW杯出場への戦いが今年6月より始まる。


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