習慣

2015 年 4 月 2 日

 国同士の試合開始前には両国の国歌斉唱がある。国によってアイデンティティを感じさせ、大声で国歌を歌う国、敬礼する国、左胸に手をあてる選手、そして11人が肩をくむチームがある。

 2010年、南アフリカW杯初戦のカメルーン戦から日本代表は肩をくむようになる。

 DF闘莉王が、沈んでいたチームの雰囲気を少しでも盛りあげようと提案し、新主将に任命されたMF長谷部誠が岡田武史監督に許可をとって実行にうつした。この日から日本代表は国歌斉唱になると肩をくみ、今日では習慣になっている。

 1月のアジア杯、日本代表がUAE代表にPK戦の末に敗れた前日、韓国代表はウズベキスタン代表を延長戦の末に2−0で勝利し、ベスト4進出を決めた。その両者は日本対チュニジアが行われた27日、韓国の地でふたたび対戦し1−1のドローで終えていた。

 31日、そのウズベキスタンを新生日本代表はホームで5−1と一蹴した。

 試合開始前に選手とスタッフたちで円陣を組み、チュニジア戦から先発を総入れ替えした一戦は、前半こそ1−0でリードして終えたが後半は4点を叩き込んだ。

 チュニジア戦の前半は国内組が相手を消耗させ、後半に海外組がトドメを刺した印象がつよいが、ウズベキスタン戦はその逆の展開で大勝したやり方は今後の方針を作ったはずだ。

 チュニジアとウズベキスタンの2連戦で招集したGK以外の全フィールドプレイヤーを起用し、采配に当てはめ、そして勝利に導いたのは監督の手腕に他ならない。

 今回は親善試合のため交代枠が6人だったが、公式戦は3人になる。ハリルホジッチ監督が速い攻撃を好むことから90分間、運動量と技術精度の落ちない選手を今後から招集する可能性がたかい。

 試合終了後には、監督みずから手招きをして全員で試合開始前にもみた円陣をつくり、勝利の雄叫びをあげていた風景が5−1で圧勝した勇ましさを忘れるほどのアットホームな船出を印象づけた。

 その印象は新監督が就任から公言している「チームはファミリー」を体現するものだろうし、この一体感を感じさせる風景を勝敗にかかわらず日本代表の習慣になることを願いたい。

 それでも次回招集されるとき、この円陣に入れる選手と入れない選手がかならず出てくる。

 ハビエル・アギーレ前監督がFW武藤嘉紀を発掘したように、ハリルホジッチ監督はDF藤春廣輝といった新戦力を発掘した。両監督はそれまでの実績ではなく、自身の目とJリーグでの“調子”によって選出したはずだ。

 このことは、全Jリーガーにチャンスがあることを示すものだろう。

 ハリルホジッチ監督は、今週末からふたたびJリーグの試合会場に通うだろう。J1はもちろんのこと、MF山口螢が所属するJ2も例外ではないはずだ。


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