愚行

2015 年 3 月 2 日

 ファンであれば、応援するチームが勝利することを願うものである。
 ホームゲームであれば相手チームに少しでも圧力を与える行為は、世界のどのスタジアムでも行われているのが常である。

 28日、ボルシア・ドルトムントとシャルケによって争われるルールダービーが行われ、ドルトムントが勝利した。かねてからドイツ屈指のダービーとして知られてはいたが、日本人対決ということもあり日本でも徐々に注目を集めるダービーとなっている。

 過去にDF内田篤人は、圧倒的なアウェイの環境を問われた際に「ドルトムントでの重圧を感じていれば大したことない」といったコメントをしたことがある。映像からでも十二分に伝わってくるが、ピッチに立った者でなければ本当の意味で分からない経験だろう。

 ダービーともなれば熱が入るものだが、勝って欲しいと願う愛情はときとして間違った方向に傾く。

 バルセロナにダニエウ・アウベスという黒人選手がいる。昨季、CKを蹴ろうとする際にバナナがピッチに投げ込まれたが、その場でそのバナナをアウベスは食べてしまう。その行為には世界中から賛辞が贈られ“事件”はその後、醜態(しゅうたい)をさらしながらも美談として収束に向かった。

 今季も同様のことが起こった。

 26日、ヨーロッパリーグ・セカンドレグのフェイエノールト対ローマ戦では特大バナナのおもちゃが投げ込まれた。今回も黒人選手に対しての嫌がらせだが、バナナは食べられるものではなかった。その後も判定に異を唱えるファンがペットボトルやコインなどを投げ込み、両選手をピッチから退かせる処置のため10分ほど試合が中断される事態にまで至った。

 そのファーストレグでは、フェイエノールトのファンがローマの街で大暴れをし、1629年に建造された「舟の噴水」を破壊するなど醜い爪あとを残していた。由々しきこと共に、オランダサッカーの凶暴性が世界中に知れ渡った。

 28日、昨季のリーグ王者と天皇杯王者によって争われるフジゼロックス・スーパーカップが行われ、昨季3冠のガンバ大阪が権利のすべてを持っていたため、昨季リーグ2位の繰り上げで出場した浦和レッズを2-0で下した。

 Jリーグの開幕を告げるカップ戦だが、今週末にいよいよ開幕を迎える。今季より2シーズン制が復活することもあり「改革元年」と銘打たれたJリーグだが、間違った歴史のくり返しは避けなければならない。

 似たような愚行(ぐこう)は必ず起こる。

 「JAPANESE ONLY」といった過去の愚行によって、「日本人は差別をする」という認識が韓国をはじめ世界に知れ渡った。欧州で行われている愚行を日本でも繰り返さないよう、今季のJリーグは改革の是非と共にモラルも問われる一年になりそうだ。


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