世代

2015 年 2 月 18 日

 Jリーグが誕生した1993年に生まれ、数あるスポーツの中でサッカーを選んだ男の子たちは現在22歳になろうとしている。大雑把(おおざっぱ)な分け方をすれば、プロサッカー選手になれた者、その道を目指している者、その道を断念した者とで分けられるだろう。

 才能と運に恵まれ「プロ」もしくは「プロ確定」にまでになった選手たちは現在、来年開催されるリオデジャネイロ五輪を目指す世代になっている。

 14日、U-22日本代表がU-23シンガポール代表と対戦し、8-1の大勝をおさめた。気温28度のアウェイの環境ではあったが前半10分に先制点を記録すると、その後も4回ネットを揺らし、前半で試合の勝敗を決めてしまった。

 試合の流れを大きく引き寄せる先制点と2点目を記録したMF中島翔哉は、現在FC東京に所属し、J1のピッチにも立っている。2012年、J2東京ヴェルディ在籍時にプロのピッチに立ち、18歳59日で史上最年少のハットトリック記録を更新している。

 1993年、ガンバ大阪に高卒ルーキーとして入団したFW松波正信氏の樹立した18歳364日の記録から19年ぶりの更新を成しとげた。技術や戦術が格段に進歩していることを考慮すると途方もない記録であり、ついでながらその間にJ2の存在があるのも日本サッカー界の“足跡”を確認できる。

 現U-22日本代表は技術的にすぐれた選手が多く、格下相手にきっちり8得点を記録する確かな実力を兼ね備えている。それでもチームを率いる手倉森誠監督は試合後、リスタートからの得点がなかった「今後の課題」を口にしている。

 セットプレーのみの得点が多かった、過去の“世代”を考慮すると現世代の選手たちに頼もしさを覚えるが、強いて言えばもっと得点を挙げなければならない相手だったと言えなくもない。

 彼らは来月11日に国内でU-23ミャンマー代表との試合が控え、その後はアジアサッカー連盟U-23選手権2016予選のためにマレーシアに移動する。グループ上位2チームと成績上位5チームが来年1月の本戦に出場し、上位3国がリオデジャネイロ行きの切符を手にする。

 試合後に手倉森監督は「日本サッカー界の将来に希望の光りを照らす試合をしたい」とコメントしているが、3月11日という忌(い)まわしいその日だけに勝利でファンに希望を抱かせ、決戦の地に飛び立ってもらいたい。

 この“リオデジャネイロ世代”がオリンピック行きを逃すとU-16、U-19、U-23といった若き日本代表のすべてが24年ぶりに世界大会進出を逃すことになる。

 また前途の中島でも昨季リーグ戦の出場機会は5試合に留まり、他の選手もバラつきが目立つ。将来に後悔しないよう、若い選手を育てていく、という勇気が開幕を間近にひかえた全Jリーグクラブの今季の宿題とも言えるだろう。


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