人材

2015 年 2 月 10 日

 先日、ハビエル・アギーレ監督の解任が決まってから次期監督は「噂」のみが蔓延(まんえん)している。

 鹿島アントラーズを率いてJリーグ史上初となる3連覇を成し遂げたオズワルド・オリヴェイラ監督、セレッソ大阪を率いてMF香川真司、MF清武弘嗣、MF乾貴士など日本を代表する選手たちを世に送り出したレヴィー・クルピ監督など、名を連ねている。

 日を追うごとに名前は多くなり、名古屋グランパスエイトで選手としても監督としても一時代を築いたドラガン・ストイコビッチや、ヴィッセル神戸で1シーズンを過ごした経験を持つデンマークの英雄MFミカエル・ラウドルップなど、今後も「噂」は蔓延していくだろう。

 日本人監督は是か非か、という問題提起もある。

 昨季、ガンバ大阪を3冠に導いた長谷川健太監督。12年、13年とサンフレッチェ広島をリーグ2連覇に導いた森保一監督や、タイトルはなくとも魅力的なサッカーに定評がある風間八宏監督などの名前が挙がっている。

 しかし、日本サッカー協会から「現職のJリーグ監督の引き抜きはない」という発表があり、リストから除外されている。昨季までヴァンフォーレ甲府を率い、現在フリーとなっている城福浩氏を推す声が挙がったが、協会のリストの中に日本人の名前はないとされている。

 外国人監督にこだわる理由の一つとして「世界と戦う」ことを大前提に「日本はまだ学ばなければいけない国」「経験や知識を持った監督からいろんなことを伝えてもらいたい」といったものがある。

 ごもっともである。日本サッカー界はもっと謙虚に学ばなければならない。だが、W杯出場が当然になった昨今、W杯優勝を選手からもファンからも聞かれるようになった。

 もし、W杯優勝を本気で狙っているのだとしたら「日本人監督を育てる」という発想がそろそろ必要なのではないだろうか。

 W杯を制覇した優勝監督に着目すると、20回を数えるすべての大会の勝者はすべて優勝国から輩出しており、例外はない。昨年のW杯ブラジル大会を制したドイツの監督はドイツ人のヨアヒム・レーブであり、代表監督以前に獲得したタイトルは国内カップとオーストラリアリーグのみである。

 タイトル数だけをみると前途の日本人監督たちと遜色はない。しかし、レーブは2004年からドイツ代表のコーチになり、06年から監督として現在に至っている。メディアや国民に叩かれながら10年の歳月を要してW杯制覇という偉業を成した。

 思い返せば、スペインが10年南アフリカW杯大会を制覇すると世界はこぞって「パスサッカー」と「育成」に着目した。ならば、現世界王者ドイツが用いた「人材の継続」という手法の一つが優勝への、強化への近道ではないだろうか。


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