恥辱

2015 年 1 月 30 日

 1871年にサッカーの母国イングランドで産声をあげた世界最古のカップ戦FA杯は今季、番狂わせが連続して起きている。

 イングランド・プレミアリーグは現在チェルシーが単独首位を守っており、FA杯4回戦では、3部リーグのブラッドフォードをホームに迎えた。試合前、強気のコメントで知られるチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は「3部リーグのチームに負けたら恥」と言い放った。

 ところが試合は2-4のまさかの敗戦、加えて今季のホームスタジアムでの初黒星となった。納得できない敗戦後に辛辣(しんらつ)なコメントを残すことの多い同監督も「この敗戦は恥辱(ちじょく)、どうぞ皆さんチェルシーの監督と選手を批判して下さい」と素直に敗戦を認めている。

 国内リーグでチェルシーを追う2位マンチェスター・シティも2部リーグのミドルスブラに0-2で敗れると、4位マンチェスター・ユナイテッドも4部リーグのケンブリッジに0-0の再試合に持ち込まれている。

 余談ながら、金星を挙げたブラッドフォードの移籍金総額は130万円に対し、チェルシーは350億円である。また、マンチェスター・ユナイテッドに所属するFWラダメル・ファルカオの一ヶ月分の給料で、ケンブリッジの選手たちの一年分がまかなえると聞くから“失態”といっても失礼ではないだろう。

 ボール支配率68%:32%、シュート数35:3、枠内シュート15:1、コーナーキック18:0、前者と後者の数字を見ると勝利チームの予想は難しくないだろう。この数字の前者は日本代表で、後者がUAE(アラブ首長国連邦)代表である。

 これらの結果をみると、サッカーに絶対はない、ということが分かるし、知名度が高いチームや潤沢な資金があるチームが、必ずしも勝利者にならないことも再認識できる。

 アジアカップは30日に3位決定戦、31日には決勝戦が行われる。決勝戦は第1、2回大会の連覇以降、55年ぶりにアジア制覇を狙う韓国と2005年にアジアサッカー連盟加入後、初制覇を狙うオーストラリアとで争われる。

 また、3位を争うイラクとUAEはどちらが勝っても初の銅メダルである。今大会6試合を戦う彼らは世代交代の道半ばであり、今後はアジアにおいて日本の脅威になることは間違いないだろう。

 昨年のブラジルW杯において、アジア枠の出場国は1勝も出来ずに大会を去ったのを思い返して欲しい。アジア全体が強くならなければ日本の進化も望めないのはW杯後に強く望まれていたが、今回のアジアカップで日本が敗れたことによって皮肉にもアジア諸国に勇気を与えるものとなった。

 加えて、日本がほぼW杯に出場した選手たちで大会に挑んだ中、ベスト4に進んだ各国は若手中心で大会に挑んでいるのは見逃せない事実である。


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