判決

2015 年 1 月 26 日

 アジアカップ連覇が期待された日本代表は、UAE(アラブ首長国連邦)代表に先制点を許したが後半終盤に追いつき1-1のまま延長戦に突入。120分でも試合は決せずPK戦までもつれた戦いは、UAEが日本を上回り前回王者は5大会ぶりにベスト8で姿を消す。

 そもそも、ハビエル・アギーレ監督の選考理由を思い出して欲しい。それがアジアカップ制覇ならば、即刻解任されるべきだろう。しかし、彼に期待したのは「日本に勝負強さを植えつけて欲しい」といったことを同氏の就任が決定した際、日本サッカー協会専務理事の原博実氏は話している。

 アギーレ監督は、アルベルト・ザッケローニ前監督の要を担った選手たちを招集してから、相手を圧倒するようになった事に疑いの余地はない。

 そのことを“悪しき伝統”といった評価もあるが、言葉も文化も異なる極東の島国にやってきて、就任半年も満たない歳月で「アジア王者」を期待されるのは、いささか酷な話でもある。

 それでも、前任者はそれをやってのけた。

 しかし、前回大会でのアジア王者への道は苦難の連続で、簡単な試合は一試合もなかったことを思い出して欲しい。奇跡的な道のりで、交代した選手が次々と得点し、システムチェンジをして“前”に出たDF長友佑都が決勝戦のアシストを記録したシーンは決勝戦のハイライトを作っている。

 俗に言う「持っている」監督だった。

 しかし、それらの幸運は4年間も続かなかったことや、それからの日本代表がブラジルまで歩んだ道は、考えの違いがあったとしても総決算のW杯で“負った”悲惨な結果は、今や日本の津々浦々のサッカー少年でも知っている事実である。

 ザッケローニ前監督は岡田武史前監督の“やり方”をほぼ引き継ぐことはなかったが、アギーレ監督は前任者のそれを引き継いで戦ったのは、当然といえば当然の手法と言っていい。

 世界を見渡しても“母体”を引き継がずに戦っている国はない。ただ、アジアカップ連覇を目論むのなら先発選手の変更は行うべきだったはずだ。中3日で戦ったグループリーグから中2日で戦う準々決勝は何ヶ月も前から分かっていたはずだし、試合に出場しなかった選手たちが不憫(ふびん)でならない。

 今大会におけるMF香川真司に触れないわけにはいかないだろう。

 “成功”に終わったと言えない今大会だったが、ここから這い上がっていく姿に着目したい。苦い経験が払拭されていく特効薬の在処(ありか)は、選手自身で探さなければならないのがサッカー選手の宿命でもある。その過程に真価があり、問われる能力でもある。

 今後、アギーレ監督の処遇はどうなるのか。火のないところに煙は立たないが、日本サッカー協会の下す“判決”にも注目したい。


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