異口

2015 年 1 月 23 日

 中田英寿氏の元チームメイトMFダミアーノ・トンマージは40歳になった現在でも選手を続け、イタリアサッカー選手協会の会長も任されている。

 昨今のセリエAは暗雲が垂れ込めており、ステップアップの場として捉えられている。トップ選手たちの相次ぐ他リーグへの移籍にトンマージ会長は「セリエAはもう世界最強じゃない」と語っている。

 その言葉の通りに、欧州一を決めるチャンピオンズリーグでも出場枠が「4」から「3」に減らされている。プレーオフでナポリは敗退。今季はユベントス、ASローマが出場。前者のみがベスト16に勝ち残っている。

 イングランド、スペイン、ドイツといった強豪国が今季のベスト16に3チーム、仏からも2チーム勝ち上がっていることを考慮すると、イタリアの衰退はトンマージ会長のコメントを如実に物語っている。

 オーストラリアで開催されているアジア杯はグループリーグ最終節が終了。日本代表がヨルダン代表を2-0で下し、準々決勝に歩を進めた。ベスト8の顔ぶれをみると、3戦全勝で勝ち進んだのは日本を含め4チームあり、無失点で通過したチームは韓国、イラン、日本のみである。

 3戦の総得点をみると、韓国が3、イランが4、日本が7となっている。数字だけをみると日本が上回っているが、組み合わせの相性や実力もあり、これから始まる一発勝負のトーナメントでは参考になる数字ではないだろう。だが、贔屓目(ひいきめ)にみても、日本の盤石な戦いぶりは数字が示し、絶体絶命を招いた場面も印象にない。

 順風満帆な日本代表と反比例するように、本田が所属するACミランは苦しんでいる。

 本田を欠いたチームは今年に入ってから国内カップ戦のみの勝利で、国内リーグ戦では未勝利で1勝1分2敗の成績である。本田が任されている右サイドでは、今月に新加入したFWアレッシオ・チェルチと本田と絶妙なコンビネーションをみせるDFイニャツィオ・アバーテが試合中に口論するなど、チームとしてのまとまりを欠く印象だ。

 本田の好調はイタリアでも知れ渡っており、チームメイトたちも喜んだ上で復帰を待望している。仮に23日の準々決勝で日本が敗れれば、本田は早めにチームに合流できる。しかし、日本に敗れた3人の指揮官からは異口同音(いくどうおん)「倒すのが困難」と舌を巻く。

 現在でも賛否両論あるアルベルト・ザッケローニ前監督の築き上げた地盤の上にハビエル・アギーレ監督の発展があって、現在の強さがあるのを忘れてはならないだろう。

 継続性と発展を怠れば、チームの弱体化は免れない。

 それでも、たとえACミランに一時期ほどの強さがなくとも、イタリアの名門から日本人選手の復帰が待たれるのは嬉しいものである。


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