颯爽

2015 年 1 月 3 日

 第91回東京箱根間往復大学駅伝競走往路において、初優勝を成し遂げた青山学院大学の快挙は、駅伝ファンでなくとも新年早々おどろかされたはずだ。

 今大会の予想は優勝候補筆頭に駒澤大学、連覇を目指す東洋大学、次いで明治大学などが挙げられており、青山学院大学は「チャンスはある」といった評価だった。

 レースが始まると1区の久保田和真が2位で襷(たすき)を繋ぐ。2区の一色恭志は順位を一つ下げるものの3位で3区の渡邉利典につなぐ。3区も3位をキープし、4区の田村和希が順位を一つ上げ、2位で5区神野大地に繋ぐ。

 5区に襷が渡った当初、1位の駒澤大学とは46秒の差あったが10.45km付近で追い抜き、2012年に東洋大学の柏原竜二が打ち立てていた1時間16分39秒という大記録をコースが多少変更されたとしても24秒縮めての優勝は見事というほかないだろう。

 箱根駅伝は第二次世界大戦によって中断されていた過去がある。しかし昭和18年、戦時中の日本にありながら学生の熱意に押され「関東学徒鍛錬競走大会」という大会名で復活する。その大会に初出場したのが青山学院大学である。

 初参加した大会では、往路優勝した慶應義塾大学から遅れること1時間34分13秒遅れて最下位でゴールした青山学院大学は、その大会から72年という途方もない年月を経て、初の栄冠を勝ち獲った。

 また、史上18校目となる往路優勝を成し遂げた青山学院大学だが、91回を数える伝統ある大会において、17校しか優勝を成し遂げていない歴史をみても、この偉業はより説得力を増す功績だろう。

 勝てば、注目が集まる。

 たとえば、女子サッカーも2011年ドイツで行われたW杯を初制覇して以来、注目を集めるようになった。元旦の恒例行事となっていた男子の天皇杯全日本サッカー選手権大会は、今月開催を迎えるアジア杯開催などの都合もあり、昨年の12月13日に行われていたため、今年は元旦の風景を女子が創った。

 視聴率、注目度、観客動員数はまだまだ男子に及ばないにしても、女子サッカーの今日の認知度は彼女たちが自力で勝ち獲った功績である。今年6月にカナダで開催されるW杯でも飛躍を期待したい。

 日の目を見なかった対象が勝利によって注目を集めるのはよくある話である。

 青山学院大学は創部96年目というほぼ1世紀の苦心をかけて往路を制したが、総合優勝は未だ“悲願”のままである。だが、昨今の潮流をみるとその可能性はかぎりなく高いが、64年ぶり往路2位になった明治大学の動向もまた興味深い。

 暗く不透明なニュースが多い昨今の日本社会だが、大学の名誉と伝統を背負い、箱根路を颯爽(さっそう)と駆ける大学生たちから今年は例年より学ぶべきものが多いのではないだろうか。


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