直結

2014 年 12 月 5 日

 11月29日と30日は、勝負の世界における天国と地獄があった。
 昨季J1からJ2に降格したジュビロ磐田が4位でシーズンを終え、6位のモンテディオ山形とJ1昇格プレーオフを戦い、後半AT(アディショナルタイム)に決勝点を入れられ来季のJ1昇格を逃した。

 モンテディオにとって後半ATの決勝弾も劇的だが、Jリーグ初のGKが決めた得点はより一層記憶に残るものだろう。

 ジュビロは、引き分けでもプレーオフ決勝に進出する状況にあった。チームを率いる名波浩監督は以前、自身が出演する番組内で「試合終了間際の時間かせぎは必要ですか?」という視聴者からの問いに「必要でしょ」と即答したことがあった。

 たしかに日本のプロに限らずアマチュア世代でも、相手陣地のコーナーフラッグ付近で露骨(ろこつ)なまでの時間稼ぎはよく見かける。そのことを外国人記者からは「悪しき風習」とみられ、日本人からも正々堂々としてない、と批難の一つにもなっている。

 「何かが懸かっている試合なら当然やるべき」とも語っていた当人が、監督になった大一番でみせることはなかった。負けなければ良い展開、リードしている試合をいかに“綺麗”に終えるか、は先月のA代表のオーストラリア戦しかり、日本サッカー界全体の課題ではないだろうか。

 J1でも酷似したシーンがみられた。

 33節まで1位だった浦和レッズが、4位サガン鳥栖に後半ATにCKから同点とされ、最終節を前にまさかの首位陥落。32節にレッズに勝っていたガンバ大阪が最終節を前に首位に立った。3位の鹿島アントラーズも上位が最終節で敗れれば、優勝の可能性が残っており三つ巴の戦いとなっている。

 J1の昇格をかけたプレーオフも、ジェフユナイテッド千葉とモンテディオの勝利者が来季J1を戦う権利を得る。2012年からプレーオフ制が始まって以来、3位のチームが勝利した過去はない。それに加え、先日の天皇杯準決勝ではモンテディオが勝利しており、3位ジェフがそれらの雪辱を果たせるか注目したい。

 J2J3入れ替え戦もまた興味深い。

 今季のJ2を2位で終え、悲願のJ1昇格を果たした松本山雅と長年ライバル関係にあるJ3長野パルセイロが今週末、入れ替え戦第2戦を行う。J2カマタマーレ讃岐と争った第1戦は両者のシュートがクロスバーに“阻まれ”、0−0のスコアレスドローに終える。

 第2戦はカマタマーレの本拠地で行われるが、ライバルと肩を並べるには今季のJ2を21位で終えた相手に勝たなければ「Jの舞台」で対戦する日は遠いままである。

 6日に今季のJ1王者が決まり、7日には来季J1で戦う者とJ2を戦う者とが決定する。天国と地獄の境界線を綱渡りでわたる重圧こそ、国内リーグ発展と強化に必ずや直結するはずだ。


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