遜色

2014 年 11 月 27 日

 「内容より結果」を求められるダービーマッチは、シーズンの分岐点を作り、その後の展開をより面白いものにする。その戦いには歴史的な背景もあり、同じ街に居を構えるチーム同士の戦いもある。

 前者はバルセロナとレアル・マドリードで争われる「エル・クラシコ」が代表例であり、後者はイタリア・ミラノの街を二分(にぶん)して争われるACミランとインテルの「ミラノダービー」が代表例だろう。

 現在まででエル・クラシコが168試合、ミラノダービーが181試合。この途方もない対戦数は、1季で2回争うリーグ戦のみの数字である。それだけでも80年を超える歴史があることを雄弁に物語っている。

 2011年からインテルに所属するDF長友佑都は、すでに歴史ある“デルビー”に出場し、ここまで無敗である。2014年からACミランに加入したMF本田圭佑だが、昨季のデルビーは出場機会がなく「日本人対決」は実現しなかった。

 今季からフィリッポ・インザーギが監督に就任すると、右サイドの新境地を与えられ、その場所を開拓しチームを牽引する存在になっている。今季初のミラノダービーは、今季初のスタメン落ちを味わうが後半28分から出場し、チームにアクセントを加えるが得点には至らず1−1の痛み分けとなった。

 ミラノダービーで日本人対決が実現されたことはレベルが落ちたといわれる昨今のセリエAでも、快挙といっていい出来事だろう。

 ドイツのボルシア・ドルトムントとシャルケによって争われるルール・ダービーはミラノで行われるものより日本での認知度は低い。前者にはMF香川真司、後者にはDF内田篤人が所属することもあり、「日本人対決」のみ取り上げられるがドイツでは大々的に報じられるダービーである。

 MF香川真司は初のダービーで2得点を記録し、その活躍によって一躍ドイツで名を馳せたのはよく知られている。また、地域性はなくとも実力と人気を兼ね備えた両者が争うナショナルダービーは世界中にある。

 22日、浦和レッズとガンバ大阪とで争う、日本のナショナルダービーが行われた。世界のそれに遜(そん)色ない熱意と期待が会場に蔓延(まんえん)し、勝てば優勝のレッズと2位ガンバの熱戦は、試合終盤に得点を重ねたガンバが0−2で勝利する。この勝利によってガンバは優勝に望みをつないだ。

 100年以上の歴史がある“世界”に及ばない部分が依然としてあるものの、Jリーグ誕生から20数年で熱の帯びた、世界に負けないナショナルダービーの存在が日本にあることを確かに証明した。このことはJリーグの誇りともいって差し支えないだろう。

 残り2節となった今季のJリーグ、「内容よりも結果」が求められるダービーに勝利したガンバの動向に注目したい。


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