方針

2014 年 11 月 17 日

 どんな監督でもオファーが来れば、そのチームと選手はもちろん、長所と短所といった特徴をかならず知り、前監督の戦い方をみて「自分ならこうする」といった考えを持つのが普通ではある。

 そのように考えると、ひょっとしたらハビエル・アギーレ監督の中に、ブラジルW杯メンバーをスタメンに用いたプランがあったのではないか、そう思っても不思議ではない試合内容と結果だった。

 ホンジュラスを相手に11人中10人がブラジルの地を踏んだ選手たちが試合開始から躍動する。試合のほとんどの時間帯で相手に自由を与えず、プレッシャーをかけ続けたことは6−0以上の価値があると言っても過言ではないだろう。

 唯一ブラジルの地を踏んでいなかったFW武藤嘉紀は遠慮する場面こそ見られたものの、果敢にドリブルで仕掛ける場面も見せ、アギーレ監督の信頼を裏切らなかったはずだ。

 MF香川真司はバックパスの多さが気になるところではあったが、守備での貢献度が光り、前線に飛び出しFW豊田陽平の代表初ゴールを“アシスト”した。ゴールこそなかったが、矢のような正確なロングパスは新たな持ち味として代表でもドルトムントでも武器になるだろう。

 ブラジルW杯以来の招集となったDF内田篤人がみせた効果的なオーバーラップは、アシストや得点といった記録にはならなくとも他の追随(ついずい)を許さないほどの働きをみせた。

 調子が良ければ招集する、これはアギーレ監督が就任から一貫している。

 ベテランを招集した今回の選手選考に“ブレ”が囁(ささや)かれているが、MF遠藤保仁を経由する展開は終始チームに落ち着きを与えていたし、得点も挙げた。MF長谷部誠の気の利いたポジション取りはMF本田圭佑の挙げた2点目の“アシスト”にもなった。

 遠藤が所属し、牽引しているガンバ大阪は3冠を狙えるほど強硬なチームである。先日はナビスコ杯を制覇し、リーグも2位の位置におり、天皇杯も狙える位置にいる。

 そうなるとアギーレ監督の“見極め”が今後の鍵となってくる。

 アルベルト・ザッケローニ前監督の4年間は、選手を信じすぎたことはよく知られ、最後には戦術的にブレる場面もあった。金属も同じ動きを何度もすれば疲弊(ひへい)し、折れるように選手の調子も永遠に続かないのは日本のファンは身をもって体感したはずだ。

 主将のMF長谷部は『ブラジルW杯では内容、結果ともにファンを失望させてしまった、もう一度自分たちに期待して貰えるように』と、試合後に今後の意気込みを語っている。

 この試合の大勝は日本サッカー界の進化なのか、停滞なのか。明日のオーストラリア戦が終わってからでも、その答えは決して遅くない。少なくとも退化はしてないはずだ。


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