規範

2014 年 11 月 13 日

 ハビエル・アギーレ監督が就任してから、強豪国を含めた1勝1分2敗の結果は決して悪いものではない。

 だが、ブラジル戦では経験不足を否めない若手選手を起用し物議を呼ぶと、今月5日に発表されたメンバーの中にはブラジルW杯が年齢的に最後と思われたMF遠藤保仁を招集するなど、「方向性」に不信感を招いている。

 追い打ちを掛けるように、このメキシコ人監督は代表合宿を離脱している。

 前代未聞のことである。アギーレ監督が過去に指揮したチームのメインスポンサーが主催する賞の表彰のためにメキシコに帰国する。2011年から開設され、まだまだ国際的な認知度は低いものの、ペレやマラドーナといったサッカー界のレジェンドたちが受賞している。

 手放しで喜べるものではないが、だからこそのMF遠藤、MF長谷部誠といった“ベテラン”招集という見方が出来なくもない。

 たとえば前者の場合は、選手に自主性を求めたジーコ監督時代を経験した過去があり、後者はアルベルト・ザッケローニ監督から全幅(ぜんぷく)の信頼を寄せられ「主将の中の主将」とまで呼ばれ、自身も指導経験のあるDFパオロ・マルディーニとならび称されたほどだ。

 日本代表の成績がふるわないとき、必ず「日本のメディアは優しすぎる」と様々なメディアで書かれ、それを望むファンもいる。ところが今回のような前代未聞の行動への批判は分からなくもない。

 サッカー強豪国に見られるような、人の感情を逆なでしているとしか思えないような論調を求める場合すらある。

 その論調こそ、選手のメンタルを強くしていくのは確かだ。海外に渡った選手は必ずその洗礼を受け、最近ではMF本田圭佑やDF長友佑都もその餌食になった。彼らほどでないが、アギーレ監督は現在日本でそれを受けている。

 批判をかき消す方法は結果のみである。

 14日と18日に行われる2連戦に勝てば良い。ただ、それだけの話である。18日のオーストラリア戦に限って言えば、日本に勝ちにくるのが容易に想像できる。

 前回大会の決勝戦で戦った彼らは、来年1月に開催されるアジア杯のホスト国である。いわば優勝が義務付けられている。試合1週間前には発表された全メンバーが日本入りし、その日に万全を期してくるのは想像にむずかしくない。

 世代交代に失敗した感の強いオーストラリアも自国で開催されるアジア杯を逃せば、抜本的な改革を強いられる。そのことを考えれば、日本より困難な状況下にあるといえる。

 アギーレ監督にとって今回の騒動は自分で撒いた種といえばそれまでの話だが、今月の2連戦で真価が問われている。当の本人も「内容よりも結果にこだわる」と語っているが、まず明日のホンジュラス戦でその意気込みを見たい。


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