伝播

2014 年 11 月 6 日

 今月、ホンジュラス戦とオーストラリア戦の2連戦を控える日本代表が発表され、ハビエル・アギーレ体制になって初となる選手たちが選出された。

 アルベルト・ザッケローニ前監督に信頼されたDF内田篤人、MF遠藤保仁、MF今野泰幸の選出が新チームに安定感をもたらすか注目したい。

 年齢と無関係なA代表と違い、U(アンダー)−17 日本代表が来年開催されるU−17W杯の出場を逃したことにより、これまでの選手育成の是非が問われている。

 U−17世代は、2005年大会以来となる5大会ぶりにアジア予選で姿を消す結果となった。これまでをみると1993年、95年大会に連続して出場、その後は2大会を逃すものの2001年大会には出場。03年大会と05大会出場を逃すが07年大会から13年大会まで連続して出場していた。この“世代”は今回の敗退を教訓に17年大会に出場するべく、これからの改革に期待したい。

 U−20世代をみると深刻である。

 1995年大会から2007年大会まで連続して出場していた世代だが、それからは“アジア”を突破できずにいる。99年大会では準優勝を果たした過去もあり、快挙を成し遂げた彼らを「黄金世代」と呼んだのは周知の事実である。前途したMF遠藤はその1人である。

 その後の若き日本代表たちもU−20W杯本大会を経験し、その後A代表の中心選手になっている。現在チームの中心選手であるMF本田圭佑やMF香川真司もこの大会を経験しており、強豪国とよばれる国の中心選手をみてもU−20W杯を経験している選手がおおく、日本に限った話でない。

 DF内田のようにはU−17W杯を出場していなくとも、U−20W杯では主力として活躍し、その後A代表では欠かせない存在となった例もあれば、この世代の代表と無縁だったDF長友佑都のように日本を代表する選手になる稀有(けう)な例もある。

 U−17W杯とU−20W杯のいずれかを出場した選手がすべてトッププレーヤーになれる保証はないが、若年期に“世界”を経験できるのはマイナスでないはずだ。

 今回のA代表23人の内、U−17、U−20W杯を経験していない選手は12人いる。この数字は出場していないすべての選手たちにとっては朗報だが、日本が世界のトップに近づくにはもっと増やさなければならない。

 世界のトップ5に入る選手たちと代表チームは、それらの大会で好成績を残している。実際、FWリオネル・メッシはU−20W杯で優勝を果たし、得点王と大会MVPを獲得している。

 世界のトップと比べるのは酷だとしても、U−20W杯を経験した日本代表たちが02年、10年W杯においてベスト16入りに大きく貢献している。そのことを考えた場合、これからのA代表にはより勝利を求めるべきだろう。

 勝利至上主義は、伝播(でんぱ)していくものである。


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