格差

2014 年 10 月 12 日

 日本がW杯に初出場した1998年フランス大会のGL(グループリーグ)にはアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカが同居し、南米の雄を除く3カ国が初出場という歴史的にも稀な組み合わせになった。

 W杯初出場の3カ国のもくろみは、“格下”からW杯初勝利、もしくは初の勝ち点をもぎ取ることはほぼ至上命題ともなっていたはずだ。クロアチアは早々にジャマイカ戦でそれらを成し遂げ、日本からも勝ち点3を奪っていた。

 日本とジャマイカは共に“格上”たちに2連敗し、両者にとっての第3節は消化試合となっていた。日本がジャマイカ戦に向け最終調整を行っていた頃、相手はディズニーランドで時間を過ぎしていた。

 良く言えばリフレッシュであり、悪く言えば、人によって答えは変わってくる類いのものだろう。日本はジャマイカからW杯初得点こそ奪ったが、勝ち点を挙げることを出来ぬまま初めてのW杯は終わった。

 ジャマイカとのこれまでの対戦成績は1勝1敗1分。1勝はフィリップ・トルシエ体制のもので、1分はジーコ体制のものである。

 10日、キリンチャレンジカップが新潟県で開催され1−0で日本が勝利し、ハビエル・アギーレ体制3戦目にして初勝利を飾った。16年前の1敗、12年前の1分を考えれば、日本は強くなった。多少、贔屓目(ひいきめ)にみてもジャマイカにほぼ試合をさせなかったのは何よりの証拠だろう。

 しかし、オウンゴールによる得点での勝利では一定の評価はむずかしく、息の根を止める追加点が欲しかったのは言うまでもないが、試合中にあった停滞感は修正の余地を十分に感じさせた。

 1998年の初対戦は日本がジャマイカに1−2で敗れたが得点差以上の差があったのを記憶しているファンも多いのではないか。人々の記憶に残るのは、内容ではなく結果であるように敗者にスポットライトが当たる場面はどの世界において決して多くはない。

 日本は敗北から学び、それらを教訓にしたからこそ現在の姿がある。

 1998年のW杯初出場から日本が連続出場する一方、ジャマイカにとってはフランス大会が最初で最後の出場であり、唯一の勝利を挙げた大会なのである。そのジャマイカを“格下”と捉えたのなら、“格上”らしい攻撃と勝利をこれからの日本に求めたい。

 14日の相手はブラジルである。

 W杯の惨敗から復活への道を歩みだしたサッカー王国は、その威信を取り戻すべくドゥンガ新監督が着々とその歩みを強めている。かねてからのファンタジーを求めない“現実主義者”としてブラジル国内での評価は高くなくとも、ここまで無敗できている。

 日本にとって“格上”であるブラジルが、日本を相手にどのような試合展開をみせるか、学ぶべきものは必ずあるはずだ。


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