啓発

2014 年 8 月 13 日

 前回W杯を率いた岡田武史氏は、ブラジルW杯で惨敗した日本代表に対し「必要なんだよ。上に行くために与えられたものだと信じるしかない」と語った。

 2002年日韓W杯のフィリップ・トルシエ、2010年南アフリカW杯岡田武史の両指揮官は“2回目”のW杯出場でベスト16に勝ち進んでいる。両者とも1998年フランスW杯を監督として戦い、前者は南アフリカ代表を、後者は日本代表を率い“勉強”し、2回目の戦いでその経験をいかしたと言えそうだ。

 11日、日本代表監督として来日したハビエル・アギーレは1回目の戦いでそれを成し遂げているのは見逃せない。

 アギーレの日本代表監督就任が決定すると、いくつかの疑問の声があり、その一つに「長期的なスパンで強化を図れるのか」というものがあった。たしかに、メキシコ代表を率いてW杯ベスト16に進んだ日韓大会、南アフリカ大会ともに監督を任されたのはおよそ1年前のことである。

 両大会とも北中米最終予選の最中、W杯出場に赤にちかい黄色信号が灯った状態でチームを任され「鍵」となる選手を呼びもどし、そこから連勝を重ね最終予選を突破し、本大会ではベスト16に勝ち進んでいる事実がある。

 11日の会見では「バランスを重視し、イレブン全員が守れて、攻められるチームを目指す」という言葉があった。9月5日のウルグアイ戦、9日のベネズエラ戦ではどのような選手たちが選ばれるのか注目が集まるが、3日と7日に開催されるナビスコ杯に出場するチームからの招集は見送るそうだ。

 「公式戦を一番に考えている」とし「公式戦と親善試合なら公式戦を優先させたい」とコメントしている。

 このことからも新指揮官が勝負に対する強い意志が感じられる。これまではA代表とナビスコ杯の日程が重なった場合、A代表優先で選手を送り出してきた。親善試合と真剣勝負のどちらが選手を伸ばすかは言うまでもない。

 少し穿(うが)った見方を許してもらえるなら「興行より強化」を望んでいる、と見れなくもない。

 そもそもアギーレは、母国メキシコをW杯ベスト16に導き、国外では弱小クラブを引き上げてその名声を得た。2002年の日韓W杯終了後、スペインのオサスナを4年間率いた。決して強豪とはいえない弱小クラブを3年目には国内カップ戦で準優勝を果たし、4年目には国内リーグ戦を4位まで躍進させている。

 ここまでの成績をみると長期的なスパンでチームを任された場合でも評価できるが、その後は目立った成績を残せていないことを忘れてはならないだろう。

 だが、決して「世界の強豪国」とは言えない日本代表にとって、選手全員にハードワークを望み、W杯で勝った経験のある監督の就任は何よりも大きいのではないだろうか。


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