軽視

2014 年 7 月 29 日

 ハビエル・アギーレが正式に日本代表監督に決定した。
 アルベルト・ザッケローニ前監督のような、クラブチームでリーグ制覇といった華々しい経歴はなくとも、出場した2回のW杯ではベスト16に勝ち進んだ経歴が新日本代表監督にはある。

 特筆すべきは、W杯で勝ったことがある監督、ということだろう。

 ブラジルW杯が終わると様々な意見が出た。メンバーの固定化や、戦い方やメンバー選考などがあり、なぜ監督は交代して監督を選んだ協会の人事に変更はないのか、というのもあった。

 優勝候補の一角に数えられていたイタリアは、グループリーグ敗退という結果を受け、W杯直前に契約を延長していたチェザーレ・プランデッリ監督は辞任した。それには留まらず、イタリアサッカー連盟のアバーテ会長も責任をとって辞任している。

 イタリアのみせた潔さが明日の勝利に直結するか、は誰にも分からない。が、2大会連続でグループリーグを勝ち抜けていない同国にとって、大鉈(おおなた)を振るう行為は突破できなかったどの国も見習うべき姿勢だろう。

 また、W杯の勝ち方も確立された、といっていいだろう。4年前はスペインがバルセロナ中心のメンバーで構成し、ブラジルの地ではドイツがバイエルン・ミュンヘン中心のメンバーでW杯を制覇した。自国クラブチームの継続性を「代表」で生かす手法は、今後に求められる鍵となりそうなのは想像にむずかしくない。

 ドイツの勝利はリーグ運営の勝利とも言われている。乱脈経営をゆるさず、若年層に種をまき続けた勝利である。たとえ日本と歴史と実力に大きな差があったとしても、一朝一夕には勝ち取ることのできない勝利は見習うべき点がおおい。

 クリスマスが終われば正月がくるような考え方では日本サッカーは育たないが、育てる、という発想さえ持ちさえすれば未来は明るい。たとえば、ブラジルW杯の惨敗を受け、多くのファンが「日本人監督ではダメなのか」という声を挙げた。

 このような意見はこれまでなかった。

 たしかに、日本人のことは日本人が一番理解している。その裏には前監督がJリーグを軽視するかのごとく“国内組”を冷遇したことに尽きるだろう。誰もが、Jから日本代表が選出されれば盛り上がることを確信している。

 国内リーグの強化と活性なくして、代表の躍進はないことをドイツ代表が示した。

 2018年ロシアW杯、ブラジルの地で受けた屈辱はロシアの地でしか返せないのは確かである。日本は初出場した1998年のフランスW杯から2大会に1回はベスト16に勝ち進んできた。だからといって2018年のロシアW杯がジンクスに沿ってベスト16に勝ち進むとは約束されてはいない。

 新監督は国内組をどう扱うか、注目したい。


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