法則

2014 年 7 月 12 日

 ブラジルW杯のファイナリストが決まった。準決勝を記録的な大勝でその場に立つドイツと、怪我人を抱えながらもFWリオネル・メッシの存在感と閃きでその場まで勝ち進んできたアルゼンチンだ。

 この舞台での対戦は、1990年イタリア大会と同じである。そのときのアルゼンチンには天才MFディエゴ・マラドーナを擁したが、PKによる1点を守りきった西ドイツに軍配が上がっている。

 W杯にはいくつかのジンクスがある。

 まず、アメリカ大陸で開催された大会で欧州の国が優勝を果たしてない。もしドイツが優勝すればそのジンクスは今大会で消滅する。つぎにW杯前年にバロンドール(年間最優秀選手)獲得者がいる国は優勝できない、というものもある。対象者はポルトガルのFWクリスティアーノ・ロナウドであるため、ファイナリストたちには関係ない。

 1992年から始まったコンフェデレーションズカップが、2001年より「FIFAワールドカップのプレ公式大会」という立ち位置になり、重要度が高くなった。この大会優勝国は翌年のW杯本大会で優勝できない、というジンクスも生まれたが10年以上経った現在でも破られていない。補足ながら2013年大会はブラジルが優勝したため、このジンクスは今後も継続される。

 また、監督が自国民でなければ優勝できない、というジンクスもある。ドイツはドイツ人のヨアヒム・レーブが率い、アルゼンチンはアルゼンチン人のアレハンドロ・サベーラが率いているため、このジンクスも今大会で破られることはなさそうだ。また、次回開催国が優勝できないというジンクスもある。

 しかし、すべてはジンクスである。

 いつかは破られる。もし、1958年第6回スウェーデン大会でペレの出現がなければ、欧州の地でのブラジル優勝はなかったはずだし「欧州の大会は欧州から王者が誕生」というジンクスが現在でもあったはずだ。この大会が唯一の例外なのである。

 W杯の七不思議とよばれたものも大会を重ねるごとに消滅している。全20回出場しているブラジルと18回出場のドイツとの対戦は今大会で2度目であり、消滅は2002年の日韓大会決勝戦である。

 優勝候補は優勝できない、と言われていたが前回大会スペインが優勝したことによって“不思議”は次々と消滅している。今後も続くだろうし、作られてもいくだろう。

 決勝戦の予想はブラジルを圧倒したドイツ有利の見方が強いが、アルゼンチンに「優勝の法則」があるのは見逃せない。

 1978年と1986年の2度の優勝のうち、2度とも背番号10は左利きの選手が背負っている。78年はFWマリオ・ケンペス、86年はMFマラドーナ。今大会の背番号10はFWメッシであり、彼もまた左利きである。

 法則が生きるか、ジンクスが一つ消えるか、注目したい。


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