杓子定規

2014 年 6 月 26 日

 ブラジルW杯C組第一節が終わると、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙は「教師から罪人へ」という見出しで日本とコートジボワールの一戦を総括した。

 第二節のギリシャ戦が終わると世界中がその結果に目を丸くした。例としてフランスメディアは、「つまらなさはワールドクラス」「観ないで寝てしまった方、ご安心を。何も見逃していません」といった辛辣(しんらつ)な記事を掲載した。

 1分1敗でむかえたコロンビア戦では、奇跡は起きず、“神風”も吹かなかった。結果は1-4の惨敗。日本代表はW杯3戦をたたかい1分2敗、得失点差−4のGL(グループリーグ)最下位という結果で今大会を去る。

 日本代表監督就任から4年間、アルベルト・ザッケローニ監督が信じたものはなんだったのだろうか。

 自身の戦術を信じていたとしたら、コートジボワール戦とギリシャ戦の試合終盤でみせたパワープレーは合点がいかない。選手を信じていたというのならば、決して好調ではなかったMF本田圭佑を3試合ピッチに立たせ続けたのに対し、ギリシャ戦でのMF香川真司の先発落ちは合点がいくものではない。

 4年間、このイタリア人指揮官は、先発を、招集メンバーをほぼ固定して戦ってきたのはよく知られている。

 Jリーグでいくら結果を残しても日本代表には招集せず、海外組をチームの中心に据え続けた。そのことを「無能」と吐き捨てる者もいれば、「ブラジルから逆算している」という両者がいた。集大成であるW杯において結果を残せば、後者の意見がまかり通っていただろう。

 ザッケローニ監督にとって最大の皮肉になったのは、W杯本大会に入ってから“国内組”のFW大久保嘉人の活躍が光り、先発にも名を連ねた。「もっと早く招集すれば」といった声が挙がるが、あとの祭りでしかない。

 はたしてザッケローニ監督は、「この選手の調子が上がらなかった場合」の“もし”を考慮していたのだろうか。その点、南アフリカW杯の岡田武史監督はMF中村俊輔を先発から外し、大会ベスト16入りに成功した。少なくとも、結果を残すための柔軟性をこの日本人監督はもっていた。

 世界から「サッカーになってない」「アンチ・フットボール」と揶揄(やゆ)されても勝負に徹し、ある種の成功を収めた。そういった過去の鐵(てつ)を踏まないために、攻撃的な戦い方ができる“教師”として招かれたのがザッケローニではなかったのだろうか。

 国内組を無視するかのように海外組を優遇し、これから調子をあげてくる、持っているから大丈夫、といった杓子定規(しゃくしじょうぎ)な考えかたが1分2敗という結果を招いた、と言えなくもない。

 ともかくも日本代表はGL最下位という結果で大会を去る。


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