派生

2014 年 5 月 8 日

 欧州一を決めるCL(チャンピオンズリーグ)とEL(ヨーロッパリーグ)のファイナリストが出揃い、前者はアトレティコ・マドリードとレアル・マドリードで争い、後者はセビージャとベンフィカによって争われる。

 ファンにとって、今季ほど予想が難しかったシーズンはなかっただろう。

 CL準決勝、アトレティコはチェルシーを2戦合計3-1で退け、レアル・マドリーは今大会優勝候補最右翼だったバイエルン・ミュンヘンを5-0で完膚なきまでに叩き潰した。5月24日のファイナルは大会史上初のマドリードダービーとなる。

 EL準決勝では決勝戦が行われるユヴェントススタジアムをホームにするユヴェントスが優勝候補にみられていた。誰もが、昨季同大会を制したチェルシーのようにCLグループリーグ3位でELに参加したイタリアの盟主が優勝するだろう、と予想した。

 ところが、昨季のファイナリストでもあるベンフィカに2戦合計1-2で敗れてしまう。ベンフィカにとっては今年1月、71歳でこの世を去ったクラブのレジェンドFWエウゼビオを弔(とむら)うためにも是が非でも欲しいタイトルだったはずだ。

 1960年代、ベンフィカはCL二連覇など欧州を席巻。その中心にいたの選手こそ「黒豹」といわれ愛されたエウゼビオであり、通算727試合に出場し715点の記録はその能力の高さを雄弁に物語っている。蛇足ながら当時は現在ほど記録がしっかりと取られていなかったため、知られている記録を大きく上回る可能性が高い。

 話はもどるが、予想とは本来そういう類いのものだろう。

 予想が当たっていれば、5月4日に行われたミラノダービーのピッチに本田圭佑は立っていただろうし、長友佑都が入団してからダービー不敗神話があったインテル・ミラノが現在下位にいるACミランに勝利したはずだ。

 勝負ごとに“絶対”がないように、実際に対戦しなければ結果とは分かり得ないものだろう。願望がいつしか予想に変わり、それもいつしか形を変えて前提にすらなってしまっている。

 5月12日に発表されるブラジルW杯日本代表に大きな関心事が寄せられている。

 大きく言えば、チームの和を保てるベテランの選出があるか、若手の選出があるのか、Jリーグの得点王を争った選手が選ばれるか、に注目が集まっている。だが、ファンの期待に応えうる23人は選ばれるのだろうか。

 ただ言えるのは、ザッケローニ監督には戦える選手を選んで欲しい。

 コートジボワールに、ギリシャに、コロンビアに、勝てる保証は一切ない。しかし、絶対に勝てない相手がいないのは今季のCLとELをみれば明らかだろう。前提を作らず、予想せず、愚直(ぐちょく)なまでに「勝利」への強い意志をもった23人が選出されることを切に願いたい。


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