成就

2014 年 3 月 25 日

 待ちわびたその日がやってきた。
 セレッソ大阪のディエゴ・フォルランのことである。鳴り物入りで日本にやってきたウルグアイ人FWは、23日に行われた第4節、ついに“J”のネットを揺らした。

 多くの日本代表選手が在籍するセレッソの観戦チケットは、ただでさえ入手困難になっている。世界的なスターの入団は拍車をかけるようにチケットの価値を高めていく。

 3月18日のアジアチャンピオンズリーグにおいて日本での得点はあったものの、Jリーグでの得点はなかった。試合に出場すれば、否が応でも期待され、開幕前からすでに高い熱を帯びていた。

 背負わされていた苦悩を降ろせたことだろう。

 今季のJリーグは3節を終えた時点で、無失点で3連勝をかざり首位の位置にいた鹿島アントラーズ相手に入れた得点後、熱のこもったガッツポーズをみせた。

 “初得点”こそ決して難しいものではなかったが、それでも飛び出したガッツポーズには助っ人外国人選手が背負わなければならない苦悩が容易にみてとれるものだった。

 本田圭佑は困難の日々が続いている。

 たとえ辛口で知られるイタリアスポーツ紙だとしても「空っぽ」と揶揄(やゆ)された選手は多くない。クラレンス・セードルフ監督の下では右サイドを任される日本代表MFは、切望するトップ下での起用を未だ約束されていない。

 1月16日の国内カップ戦での得点以降、リーグ戦では得点はおろかフル出場も約束されていない状況だ。

 マッシミリアーノ・アッレグリ前監督が最後に指揮した1月12日のサッスオーロ戦。後半途中出場ながら、ひいき目なしに本田がチームの中心にいて、シュートがバーを叩くシーンさえ見られた。チームメイトとも積極的に意思疎通をはかっていたその姿は、威(い)風堂々としていた。

 現在はその“本田らしさ”も影を潜めている。

 ACミランという世界有数のビッククラブもまた困難な日々を過ごしている。2月14日の24節ボローニャ戦の勝利から3月23日の29節ラツィオ戦まで白星には見放されている。選手たちとサポーターの間では亀裂が生まれ、その溝を埋めるきっかけすら得られていない。

 名門の凋落(ちょうらく)に「SNSを公開することしか考えてない」、「ユニフォームに愛を感じてない」といった批判が集まり、果ては「アンドレア・ピルロを放出して本田獲得などありえない」といった八つ当たりにまで発展している。

 2シーズン前に退団した選手と本田に何の脈絡もなく、ファンとの関係状態は末期にある。

 本田は小学生時代に描いた夢をいくつも叶えてきた。「セリエAに入団」もその一つであり、続きには「レギュラーになって10番で活躍します」とある。苦しい状況を乗りこえて夢を叶えて欲しい。


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