練達

2013 年 11 月 29 日

 昨今のJリーグ王者の監督をみると、2005年のガンバ大阪を率いた西野朗氏と昨季のサンフレッチェ広島を率いた森保一監督のみで、ほぼ外国人が名を連ねている。

 今季のJリーグが佳境に迎えている。

 23日、勝ち点1差で優勝を争っていた4チームの内、浦和レッズ、広島、鹿島アントラーズの3チームがそろって敗れる。その日4チーム中、唯一勝利した横浜F・マリノスは、30日に勝利すれば9年ぶりに王者に返り咲く。

 サッカー界において、ベストな「チーム平均年齢」は25歳されている。そのベストを5歳も超える30,6歳の“ベテランチーム”は開幕6連勝で波にのった。

 ベテランゆえに不利とされていた夏場もおおきく崩れることなく乗り切る。大量得点による勝利は数えられる“派手さ”はないチームだが、接戦を制する地力があり、たとえ負けても連敗しなかった積みかさねが今日の首位を堅守した一つの要因だろう。

 地道に勝ち点1を獲得し、勝ち点3を相手にゆずることも少なかった。後半ロスタイムに追いつかれた試合は4月27日まで遡(さかのぼ)らなければならないし、その時間帯に決勝点を許したのは7月10日まで遡らなければならない。

 勝負強さも際立った。

 23日のジュビロ磐田戦はより顕著(けんちょ)だった。来季からJ2で戦う名門にとってホームラストゲームだった。1年の最後、たとえ今季の結果が分かっていたとしても、たとえ不甲斐ないシーズンを送ったとしても、ホームスタジアムでの「有終の美」はファンの願いであり、来季にもつながる重要な一戦である。

 それでも勝利しなければならないのがプロであり、優勝を目指すチームでもある。スタンドを埋めた磐田ファンの前で後半24分にセットプレーのこぼれから35歳のベテランDF中澤佑二が決勝点をあげる。その日、ライバルチームが“星”を取りこぼすなか優勝に王手をかけたのは見逃せない事実だ。

 それでも優勝が決まったわけではない。

 30日にホームラストゲームで勝利すれば優勝を決められる横浜だが、相手はアルビレックス新潟である。このチームには浦和で11年間を過ごした田中達也が在籍しており、2位にいる浦和にとって今季から新潟に移籍したFWにファンが大きな期待をよせているのは当然だろう。そういうドラマを誰もが見たいものだ。

 それでも横浜が優勝した場合、2季連続で日本人監督がJリーグを制覇したことになる。

 昨季の広島の“原型”は現浦和監督ミハイロ・ペトロヴィッチであり、森保監督が原型を勝てるチームに作り変えた。一方、横浜は木村和司氏から2年前、樋口靖洋監督がチームを引き継いだ。この“日本人リレー”は、これからの日本人監督にとって新たな試金石になるのではないだろうか。


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