信義

2013 年 10 月 17 日

 11日、ブラジルW杯欧州予選・グループIではスペイン代表がベラルーシ代表に2-1で辛勝する。15日、世界王者にとって辛勝だった相手に日本代表は0-1で敗れ、欧州遠征2連戦を無得点の2連敗で終えた。

 敗れた相手は同予選8試合を終え、勝ち点4でグループ最下位にいるチームだった。

 試合序盤こそシュートを放つなど、セルビア戦になかった積極性をみせたが時間の経過とともに影をひそめていく。ザッケローニ監督も選手交代やシステムに変化を加えるが、好転することもなくこの日も交代枠を使い切ることはなかった。

 メンバーの固定化が、チームを危機的状況にしてしまったのだろうか。“出られる”メンバー達にとって、危機感は必然的になくなるものだ。

 ザッケローニにとっても誤算はあっただろう。伸びると踏んでいた選手が伸びなかったのも事実だが、それはどの国の代表監督にも与えられた仕事である。

 この3年間でザッケローニが選手たちに対し、いかに信義に厚い監督だということは共通理解になった。それが2014年ブラジルW杯を終えたときに説得力のある結果が残せたのなら4年間つらぬいた信義は賞賛をもって迎えられるだろう。

 しかし、残せなかったのなら「烙印」が待っている。また、烙印は過去にあった「◯◯人監督は日本人に合わない」という評価にまで発展しかねない。

 アジア最終予選でW杯の出場権を争ったオーストラリアは、先月のブラジル戦、今月はフランス戦と共に0-6という大敗の連敗を受け、チームを率いていたホルガー・オジェックを解任した。

 いずれも強豪国による連敗だが、奇しくもザッケローニが就任した2010年とほぼ同時期からチームを任された監督を解任したのは興味深い。また現在、フリーになっている名将が数多いのも“深さ”に拍車をかける。

 昨季バイエルン・ミュンヘンを史上初の3冠に導いたユップ・ハインケスがいれば、MF長谷部誠、DF内田篤人を指導経験があるフェリックス・マガトもいる。かつて就任の噂があり、熱望されたマルセロ・ビエルサも現在はフリーである。

 特筆すべきは2002年韓国、2006年オーストラリアをW杯において両国を躍進させたフース・ヒディンクも“空いている”のだ。

 日本は来月、強豪オランダとの一戦を控える。アクシデントがない限りメンバーに変化を加えないのは、これまでを考えれば想像に難しくないだろう。

 思い返せば1997年、見果てぬ夢だったW杯出場を叶えるために日本サッカー協会がとった行動は加茂周監督の更迭だった。苦渋の決断の先にW杯初出場があった。協会が本気でブラジルW杯での躍進を望むのなら1997年にあった英断が必要なのではないか。

 セルビアは、ベラルーシは、決して世界の強豪ではないのだ。


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