強度

2013 年 10 月 3 日

 経済の面で大きな変貌をとげた“大国”はサッカーにおいても同じ道を歩もうとしている。ACL(アジアチャンピオンズリーグ)準決勝第2戦が行われ、柏レイソルは広州恒大に0-4で敗れ大会を去る。

 日本勢としては2009年ぶりに準決勝進出を決めた柏だが1戦目を1-4で落とし、2戦合計1-8のスコア差は見方を変えればCSL(中国サッカー・スーパーリーグ)にJリーグは大きく水をあけられた感が強い。

 この日、スタジアムを埋めたファンは5年前の北京五輪では見られなかったものだ。自国の男子サッカー競技は通常は満員で埋まるものだが、予選リーグでブラジル戦以外はスタンドに空席が目立っていた国が5年を経て、クラブチームの対戦にスタンドをチームカラーである真っ赤に染めた。

 チームを率いるのは2006年のドイツW杯においてイタリアを24年ぶりに世界一に導いたマルチェロ・リッピである。このイタリア人監督は世界3位の年俸となる約13億円を手にしている。
 1位はチェルシーを率いるジョゼ・モウリーニョで約17億円、2位はレアル・マドリーを率いるカルロ・アンチェロッティで約14億円強につづく“高給取り”である。

 その金額を支払える“体力”が広州恒大にはある。

 また、CSLでは13試合を戦い12勝1分の強さを誇り、世界の強豪を率いる監督と肩を並べる給料に見合った成績を残している。

 ACLに向けCSL側から“休暇”を与えられ柏との対戦に望んだ。いささか節操(せっそう)はないが、リーグを挙げてアジアを制する姿勢はJリーグも見習うべき部分がおおい。

 選手を休ませようにもJリーグ規約第42条に「最強のチームによる試合参加」、「先発メンバーは直前5試合に先発した選手を6人以上含まなければならない」という義務が“日本”にはある。

 2007年にはACLの疲労から先発8人を入れ替えた川崎フロンターレが、当時のJリーグ専務理事犬飼基昭から「サポーターに対する裏切り」と批判された。これに対し川崎サポーターは、「犬飼さん、我々は裏切られていません」という横断幕を掲示した過去がある。

 ACLはチーム全体の底上げに必ずつながる大会でもある。

 日本代表FW工藤壮人も試合後、準決勝まで進出したことを誇りにした上で『アジアでの戦いを2年連続で体験できたことは得るものも大きかった』とコメントしている。工藤が今年から日本代表に選出されるようになったのはACLと無関係ではないはずだ。

 また、ACLで勝つための2シーズン制移行なら理解できなくもない。だがその理由は年を追うごとの減収だと聞く。しかし、本当に弱っているのはチームの強度ではないか。2年間もベスト4を逃し、たどり着いた先の2戦合計1-8というスコアが哀しくもJリーグの強度をも示している。


コメントをどうぞ