皮肉

2013 年 7 月 23 日

 東アジアカップ2013 男子サッカーが開幕を迎え、韓国、オーストラリアとの一戦はスコアレスドロー、日本、中国との一戦は3-3の結果で終わり、それぞれ勝ち点1獲得で初戦を終えた。

 中国メディアは日本に対し、「引き分けることすら高望み」という記事を掲載し、中国にとって日本は警戒を超える相手だったことが伺える。

 ところが、実質2日しか練習をこなしていなかったチームは前半早々にPKを招き、先制点を許す展開で試合をむずかしくしてしまう。その後3点を入れ、“決まっていた試合”を決めきれず終盤に2点を許し、引き分けに持ちこまれてしまった。ザッケローニ監督にとって最大の誤算だったのは、何度も招集経験があり、試合にも出場経験があった選手が失点に絡んでしまったことだろう。

 初招集したFW柿谷曜一朗、初出場したFW工藤壮人が1アシスト1ゴールを記録したのがなんとも皮肉な結果となってしまった。

 中国は広州恒大足球倶楽部に所属する選手が大半をしめ、たとえ2006年にイタリア代表をW杯優勝に導いたマルチェロ・リッピ監督の薫陶(くんとう)があったとしても、最後まで試合を諦めなかった精神力には日本も学ぶべきものは多い。

 この日、攻撃に新鮮味や高揚感があったのは、新しい選手を試したからに他ならない。そんな当たり前が3年間も見られなかったのが、サッカー“男子”日本代表だったのである。

 また、スポーツの世界には“水もの”という言葉がある。ただ、それは攻撃面において使われる言葉であり、守備面には用いられない。つまり攻撃は「運」、守備は「実力」というものだ。

 ぶっつけ本番だった攻撃陣に対し、守備陣は違った。

 練習や試合を経験した守備の選手は、若いチームに経験を還元することができなかった。チームを安定させるはずの守備が崩壊しては試合自体が安定するはずもなく、失点それぞれに“経験者”が絡んでしまったのは見逃せない事実でもある。

 初出場の柿谷と工藤。結果を残した23歳の2人の“これから”が楽しみであることは間違いない。

 それでは、守備陣も初出場で挑んではいかがだろうか。経験がある守備陣が招いた3失点は、そんな支離滅裂なことすら思い浮かんでくるが、その人選は指揮官の英断に委ねられる。

 25日に行われるオーストラリア戦ではどんな選手たちが先発に名を連ねるのか。この大会を「テスト」と位置づけているのならば、支離滅裂の中でも戦える選手をテストしても良いのではないか。それでも戦える選手こそ本物なのではないか。

 そもそも日本代表とは、日本サッカー界の頂点にいる選手たちを指すのだから、それぐらいの気概や誇りがなくては、代表に選ばれなかった選手たちがあまりにも不憫である。


コメントをどうぞ