楼閣

2013 年 7 月 9 日

 コンフェデレーションズカップ2013で開催国ブラジルに完敗したスペイン代表選手たちの数人は、来年に開催されるW杯終了後に代表引退を示唆した。

 3-0のスコア以上の敗戦を受けスペイン人のファンたちは、およそ6年もの黄金期を築き上げてきた彼らでも決して容赦しなかった。戦犯をさがすように、30歳を越えたいわゆるベテランたちに批判の声を浴びせる。

 ファンたちは、功労者といえる選手にまで「限界」の二文字を突きつけ、不要論まで持ち出した。日本でも数人の選手たちに限界を囁(ささや)き、目新しい選手の起用が望まれている。

 7月6日、5月26日以来となる「J1」が再開され各地で熱戦がくり広げられた。1カ月弱の中断後に開催されたこともあるが、普段とは異なる“熱”があった。その熱が帯びたのも20日から開催される東アジア杯2013が背景にある。

 海外組中心で構成されている“現”日本代表に不満をいだいているのはファンだけではない。J1の中断中、リーグ得点王をあらそう選手たち、活躍をつづける選手たち、ベテランの域に入った“元”日本代表選手たちがコンフェデ杯開催中の日本でそれぞれの想いをメディアに打ち明け、注目を集めた。

 なかでも名古屋グランパスに所属するDF闘莉王は、現日本代表の脆(もろ)さを自身の経験をもとに指摘した。空中戦の貧弱さや試合に挑む姿勢などに苦言を呈(てい)する元ブラジル人は、故郷で開催されるW杯にどの日本人よりも出場を望んでおり、また多くのファンが待ちのぞんでいるのも事実である。

 東アジア杯はFIFA(国際サッカー連盟)主催の国際大会ではないため海外組の招集はむずかしい。そのため、国内組中心の起用を公言しているザッケローニ監督だが、就任当初から慣れ親しんだメンバーを好む指揮官がどのような招集をするか注目が集まる。

 メンバー発表は15日に予定されており、現日本代表のメンバーを踏襲(とうしゅう)した人選を行うのか、それともまったく異なる戦い方を予感させる人選を行うのか、期待は膨らむばかりである。

 海外組といわれる選手たちは、他の外国人選手よりも秀でているからこそ所属するチームで出場機会に恵まれているのは周知の事実である。

 ただ、その秀でた日本人選手たちを率い、手塩にかけたメンバーでは世界の強豪に勝てないのはコンフェデ杯で痛感させられたはずだ。1年後の本大会に向け、足りなかったピースをどう補うのか監督の力量が試される。

 東アジア杯の人選、戦い方、そして結果。

 すべての面で完璧を求めるのはそれこそ理想でしかない。ただ、えらんだ“新戦力”で、ある程度の理想をそれなりの現実にちかづけなければW杯優勝はもちろん、躍進すら砂上の楼閣で終わる。


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