形状

2013 年 6 月 30 日

 コンフェデレーションズカップ2013は準決勝が終わり、ブラジルがウルグアイを2-1で下し、スペインがPK戦の末にイタリアを打ち破った。

 2008年より主要タイトルを戴冠(たいかん)し続けているスペイン代表の主将GKイケル・カシージャスは、イタリア戦後の記者会見で「チームの将来」を心配した。それほどまでにイタリアは世界王者を追いつめた。

 昨年の欧州選手権では初戦と決勝戦で対戦した稀有(けう)な両者だった。初戦は1-1の好試合を演じたが、決勝戦では4-0の一方的な展開でスペインが連覇を果たした。

 事故のような交代もあり、後半途中から10人で戦った“2戦目”は長所である守備も引き裂かれた。試合の良し悪しを決定的にしたのはシステムにあり“1戦目”を3バックで、2戦目を4バックで戦った。しかし、ゴールに迫った場面すら思い出せないほど打ちのめされた2戦目は、その将来すら危ぶまれるほど王者に圧倒された。

 そこからの1年という歳月は、確実に、そして力強くイタリアに進化をもたらした。

 スペインからすれば1年前、90分間を圧倒したはずの相手にたった1年後には120分間を「0」に抑えこまれ、ボールポゼッションという持ち味もことごとく消された。また、マリオ・バロテッリという突出した才能をもつFWを怪我によって欠いた相手に決定的な場面を幾度もつくられた。

 イタリアはそれからも4バックで戦いつづけたが、「スペイン対策」ともとれるシステムでこの試合に望んだ。昨年の1戦目よりも強固な3バックにし、長所でもある守備をより進化させ、ただ守るのではなく、“攻めながら”スペインを抑え込んだ。PK戦によって敗れはしたものの1年前、善戦した「形状」を記憶させつつ、新たな選手を加えることによって進化させた功績は見逃すことはできない。

 では、日本はどうか。

 アジア最終予選が始まったちょうど1年前、スコア以上に圧倒していたはずの相手にアウェイの環境を差し引いたとしても半年を経たずして拮抗した試合をするまでに退化している感は否めない。

 日本にとって、万感の思いで挑んだコンフェデ杯での結果は今更いうまでもない。同大会において、日程的に日本が恵まれたとしてもイタリア戦はベストゲームに挙げられている。そのイメージを今後に生かすことはできないだろうか。

 1年前、スペインに惨敗したイタリアが1年後にはエースを欠いた状態で王者に挑み、後一歩のところまで追いつめた。イタリアがみせた強豪相手に善戦した記憶を具現化することこそ、1年後のW杯本大会において「日本躍進」の近道になるのではないか。

 7月1日、ほんの僅かな差でイタリアを倒したスペインと日本を圧倒したブラジルが決勝戦で相まみえる。


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