伝達

2013 年 6 月 24 日

 コンフェデレーションズカップ2013はグループリーグ最終節を迎え、2連敗同士の日本とメキシコの対戦は1-2で日本が敗れた。

 優勝を目指した日本は、得点4失点9の数字を残し3連敗で大会を去る。

 メキシコにポストを叩かれたシーン以外は、前半のほとんどを日本が圧倒した。そういった展開はどの試合でもみられ、ただ得点だけが足りなかった。ベストゲームと評されたイタリア戦で挙げた3得点は、どれもセットプレーからのものだった。

 つまり今大会は、流れの中から、得点を奪えていないのだ。

 それでも後半41分、今大会で初めて流れの中から得点が生まれる。が、チームはその時2点のリードを許した状況だった。大会を通じ、得点を個人技に頼り、偶発的な得点に頼りすぎたチームは、3試合を戦って1点しか奪えなかった。

 MF本田圭佑はメキシコ戦の試合後、『勝ち方が分からない』と言った。

 このチームの「総決算」と位置づけた大会で出た答えが3連敗である。このチームを同大会に導いたのがザッケローニ監督の手腕だとすれば、強豪国相手に可能だったはずの「引き分け」に導くことすらできなかったのも監督の手腕だった。

 サッカーは意思疎通、共通理解のスポーツともされ、チーム全体で同じ絵を描けるか、が“核”ともされている。

 セットプレーだけを練習するチームはない。流れの中から決めきる“理想の絵”を描くためにチーム練習をし、試合になれば絵を描きやすく補助するのが監督の役目であり、責務でもある。

 流れの中から“その絵”が描けたのが3試合目の後半41分に生まれたのはあまりにも悲しい現実である。

 また、ブラジル戦の失点に目を向ければ、やられた形より、やられた時間帯に目がいく。イタリア戦でも似通った時間帯に逆転されたのも危機管理能力の「伝達」の乏しさを物語る。

 今大会、おおくの熱狂を生んだFW岡崎慎司は『勝てるチームをみんなで作っていきたい』と言い、死に物狂いでやっていかなければならない、とも言った。

 ただ、悲しくもW杯本大会まで1年を切った。それまでに驚異的に個人が伸びることは、それこそ理想でしかない。監督から見て、大会を通じて及第点に達した選手はいたはずだ。しかし、2011年アジアカップ後にそうしたように及第点に達しなかった選手は見限るしかない。

 この大会を経験で終わらせるのはあまりにも惜しい。大きすぎる程の理想を抱き、残酷なほどの結果が出た。監督が就任以来、攻守の要と考えていた選手も今大会で限界がみえたのではないか。

 監督のこれまでをみると、大きな戦術変更は望めない。ならば、選手を足すか引くしか方法はないはずだ。その単純で難解な算数の問題をこれから監督は挑まなければならない。


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