展望

2013 年 6 月 21 日

 決勝トーナメント進出が決まる、その時を見届けようとブラジル行きを決めていたファンがいたとしたら、トランクに詰めていた荷物をクローゼットに戻してしまう試合展開だった。

 コンフェデレーションズカップ2013第二節イタリア戦が行われ、3-4の乱打戦の末に日本が敗れた。この結果により日本の予選敗退が決まった。

 ボール支配率で上回り、シュート数とパス成功数はおよそ2倍、CKにいたっては3倍も上回った。2012欧州選手権2位のチームをアジア王者は試合開始から苦しめ、そして圧倒した。

 それでも勝てなかった。

 試合後の内容を示す「数字」だけを見れば、日本がイタリアを上回ったが勝ち点だけが得られなかった。双方にとって不可解なPKがあったしミスもあった。内容で圧倒されたイタリアが勝利し、日本は勝ちきれなかった印象が濃い。

 先発メンバーを変更したブラジル戦と違い、手塩にかけたメンバーで挑んだイタリア戦は、失点した前半41分まで“出来すぎた”内容と理想的な展開ですすむ。

 その後、強豪イタリアに逆転され、追いつき、勝ち越された試合は、日本にとって大きな収穫になったのは言うまでもない。ブラジル地元紙では“今大会ベストゲーム”と評した。

 完膚なきまでに打ちのめされた初戦は、仕掛けた“網”に魚がかかるような試合だった。「こうすれば“日本からは”ボールが穫れる」と言わんばかりに行動を限定され、ボールを搾取され続けた。圧倒的なアウェイの空間も、より日本を不利にした。

 ところがこの日、運動量でイタリアを圧倒した。

 日本がイタリアより休養が1日おおく、日程的にも恵まれたことを差し引いても、労を惜しまず走りパスコースを増やしたことで2点のリードを導いた。効果的にボールを保持することができたのも、走力でまさった小さな証拠だろう。

 局地戦で勝てなかったブラジル戦に比べ、この日は走力という局地戦で日本が勝った。

 ただ、名実ともにブラジルと肩を並べる“はずの”イタリアがこの日は思いのほか良くなかった事が、後半早々の判断ミスを生み同点弾をまねいたと考えても不思議ではない。
 小柄なFWが大柄なDFからボールを奪取した場面だ。その同点弾の場面こそ試合の分岐点となった。選手たちは試合後、その場面を『つまらないミス』と述べた。

 「総決算」と位置づけた今大会は、ブラジルに打ちのめされ、イタリアには勝ちきれなかった。「理想と現実」を知り、「基準」を知った大会でもあった。課題も浮き彫りにした。

 そのことは1年後に控える本大会への展望を明るくもし、暗くもした。23日の最終節メキシコ戦では日本に何を教えてくれるのだろうか。1年後の展望を明るくする総決算であることを願うばかりである。


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