不憫

2013 年 6 月 17 日

 言葉以上の真剣勝負だった。
 コンフェデレーションズカップ2013がブラジルで開幕を迎え、日本と開催国との一戦は0-3で終えた。

 W杯史上最多優勝を誇るブラジルの地で戦うサッカー王国にとって、自国でむかえる国際大会は真剣そのものだった。日本時間4:00キックオフの一戦に向け、仮眠をしたファンや寝ずに過ごしたファンにとって、開始3分の美しい得点はあまりにもキツイ目覚めの一発だった。

 失点された時間帯も悪かった。前後半の開始3分と終了間際の失点は、サッカーにおいて「魔の時間帯」とよばれるものだった。それでも失点直後にそれぞれ絶好機があったのを忘れてはならない。強者と対峙するとき、好機は多くない。この日の日本はその好機を生かせなかったのも試合をより不利にした。

 サッカーの試合はどこかで勝たなくてはいけない、とよく言われる。技術、高さ、スピード、フィジカルなどが挙げられ、簡単に比較が難しいなか、足の速さだけに着目すると現日本代表に選出されてない選手が数多くいるのも忘れてはならない事実ではある。

 そのことはザッケローニ監督の目指すサッカーとは異なるものかも知れない。だが、ブラジルクラスの相手に本気で勝つにはたった一つの局面でも優位に立たなくては、勝利は極めて困難なミッションになる。

 試合後、DF長友佑都は『中学生とプロほど差があった』と述べた。

 ザッケローニ監督はこの日の敗因の一つに「疲労」を挙げた。イラクと戦い、その後17時間もの長距離移動では十分に理解できる。だが、そのことは1年以上も前に分かりきっていた事実のはずだ。

 たとえ目にみえて実力差があったとしても、選手たちに少しでもベストの状態でブラジル戦を迎えることは可能だった。強化として消化試合のイラク戦と真剣勝負のサッカー王国との試合はどちらが大事だったのかは言うまでもない。

 また、チームマネジメントの時点で負けていたのではないか。実際、36度の酷暑でイラクと戦い、この日もフル出場した選手は何人いただろう。そして両試合を通じて出場しなかった選手は何人いただろう。何のための選出か、あまりにも不憫(びん)な数字だ。

 そのことを考えると、あまりにも惜しい一戦と言わざるを得ない。1年後のW杯でも初戦大敗は十分にあり得る。試合前、ポジティブな意見を数多く聞いた。悪いことではない。だが、試合後のコメントをみる限り、「理想と現実」を痛感している選手は少なくない。

 下を向いてる時間はなく20日にはイタリア戦が控えている。勝手を知る母国との対戦でイタリア人指揮官の手腕が試される。残された2戦で何を掴み、何を切り捨てるのか。その方向性を見いだせる試合であることを切に願うばかりだ。


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