門戸

2013 年 6 月 14 日

 昨年6月から始まったブラジルW杯アジア最終予選は最終節を迎え、イラク国内が不安定な社会情勢のため中立地カタール・ドーハでイラクと戦い、1-0で日本が勝利した。
 たとえ韓国、ウズベキスタン、イランなどが入ったA組に比べ、組み合わせに恵まれたとしても1位通過は評価に値するのではないか。8戦5勝2分1敗、勝ち点17。ただ、他を圧倒できたか、と問われれば疑問符がつく。

 昨年までの日本代表は間違いなく他を圧倒していた。初戦はオマーン(H)(ホーム)に3-0、2節のヨルダン戦(H)は6-0、スコア上でも圧倒している。3節のオーストラリア戦(A)(アウェイ)は不可解なPKや判定があったとしても、試合をほぼ圧倒しての1-1だった。
 9月の4節イラク戦(H)は1-0で勝利し、11月の5節のオマーン戦(A)は試合終了間際に劇的な勝ち越し点をあげ、2-1で逃げきる。

 ところが2013年に入り、状況は一変する。

 2月と3月に行われた親善試合は2連勝するが、3月の6節のヨルダン戦(A)に1-2で敗れると勢いは弱まる。5月にはブルガリアに0-2で完敗、今月の7節は1年前に圧倒していたオーストラリアに試合終了間際にPKによる得点で1-1の同点。その結果、W杯出場を日本史上初のホームで決めた。8節のイラク戦(A)はまたも終了間際に得点し、1-0の辛勝で最終予選を終えた。

 ずっと勝ち続けられるチームは稀だが、ザッケローニ監督が就任して以来、日本代表は凄まじいほどのスピードで進化し続けてきたチームである。そのチームが今年3月の敗戦からは停滞感が否めない。

 停滞の一つに「メンバーの固定化」が囁(ささや)かれているが、これからブラジルの地で行われるコンフェデ杯以降の選手選考は『全員がスタート地点に戻る』と、監督自らが公言した。つまり、すべての日本人選手に日本代表への門戸は開かれていることを語った。

 スポーツの世界は、勝っている時は課題を見えにくくするが、敗戦の時は巧くいった部分が見えにくくなり、課題だけを浮き彫りにする傾向がある。

 辛勝したイラク戦は、気温がたかく乾燥していた中、3月から無失点がなかった守備陣はこの日「0」で乗り切った。たとえ本田圭佑を欠いた攻撃陣が不甲斐なかったとしても過酷な環境のなか1点をもぎ取り、「負けたら終わり」と意気込んできた相手に勝ちきったことはもっと評価したい。

 ファンやメディアが辛勝に叱咤激励し、戦術や選手の起用法に首をひねるのも過去の“強い日本”を知っているからに他ならない。

 ただ、ザッケローニ監督が「全員がスタート地点に戻る」と述べた以上、現行メンバーでの総決算がコンフェデ杯である。総決算の戦いは16日のブラジル戦から始まろうとしている。


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