感覚

2013 年 4 月 15 日

 4月10日、Jリーグ王者としてACL(アジア・チャンピオンズリーグ)に挑んだ広島は、アジア王者への冒険が終わった。現行制度となった2009年以降、J王者初となる一次リーグ敗退が決まったその夜、欧州CLではベスト4が出揃った。

 バルセロナ、レアル・マドリー(スペイン)とバイエルン・ミュンヘン、ドルトムント(ドイツ)の4チームが歩をすすめ、敗れたイタリア、スペイン、トルコ、フランスの4チームは来季に向け、新たな改革のみちを歩まなければならない。

 イングランド・プレミアリーグ勢が8強にのこれなかったのは、17シーズンぶりであり、珍事といっても過言ではないだろう。衰退をさけぶのは早計だが、再構築する必要性はありそうだ。

 CLベスト4に残ったドルトムントは昨季、GL(グループリーグ)敗退で涙をのんでいる。圧倒的な強さで9季ぶりにリーグ制覇をなし遂げたドイツの古豪は、「台風の目」とされながら勝ち点4に留まった。

 彼らは今季、その経験を生かした。

 ドルトムント躍進の影には香川真司という新星の活躍もあり、ドイツを席巻した強さが翌年のCLでは、1勝1分4敗という現実を痛感させられた。欧州を肌でかんじ、情報として認識した。そういった皮膚感覚をいかしたことは、今季が証明している。

 国内リーグ2連覇という偉業の中心にいた香川をマンチェスター・ユナイテッドに移籍させた影響もあり、リーグ戦、ドイツ杯とバイエルンに敗れた。ドルトムントが3連覇できなかった要因として、国内リーグ、ドイツ杯、CLをたたかう経験と選手層の差がバイエルンとは如実にあった。

 では、日本はどうだろうか。

 昨季、だれもが広島の初優勝におどろかされ、今季のACLに小さくない期待をした。ところがアジア王者への夢は4試合で絶たれ、リーグ戦は6位につけ、笑顔をつくるに至ってはいない。11位につける一昨年のJ王者である柏レイソルは、ACLで4試合をたたかい3勝1分と首位を快走している。補強にも成功し、柏もまたアジアでの戦いを肌で感じたゆえの強さといえる。

 強固なチーム作りは、欧州にみる「外部からの資金」が必要なのかもしれない。だが、ドルトムントの方針に注目したい。世界的に無名だった香川はドイツに渡り、ドルトムントの香川になった。そのことは、日本が、アジアという特異な地域に埋もれている才能に目をむける時期にきているのかもしれない。


 補足ながら、バイエルンは昨季、3冠を目前にしながらすべて逃した痛恨の過去がある。現在はその一つを手中に収め、CL、ドイツ杯ではベスト4まで勝ちあがり、夢の3冠を今季も目前にしている。道のりは険しいが、今季はすべてを勝ちとれるか、経験を生かせるのか注目したい。


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