視線

2013 年 4 月 4 日

 3月に開幕したJリーグは第4節まで終了し、全勝している横浜F・マリノスが開幕から首位を守っている。

 チームの根幹をになう元日本代表のMF中村俊輔とDF中澤佑二は30代半ばになり、サッカー選手としてベテランの域に達しながらも力強くチームを牽引している。彼らを含め、11人中5人が30代という過去にあまり例のないチームでもある。

 中村が率いるチームは個性的だ。4試合で5得点を記録している37歳になるFWマルキーニョスは、鹿島アントラーズの3連覇におおきく貢献したブラジル人であり、かつてのスピードはなくなってもその嗅覚は現在でもおとろえを感じさせない。また昨季、チームに戻ってきた39歳のMFドゥトラもレジェンドらしい働きでおおくを助けている。

 そこに昨季、U-23日本代表としてロンドン五輪を戦ったFW斎藤学がジョーカーの役割を果たし、またMF兵藤慎剛も国見高校時代には「過去最高のキャプテン」といわれた求心力と、過去にU-20 W杯にも出場したことのある能力を感じさせる働きと得点で“若い”主将である中村を支えている。攻守に軸があり、タレントがいるバランスのとれたチームが首位にいることにファンは笑わずにはいられないだろう。

 3月26日、日本代表がアジア最終予選にヨルダンに1-2で敗れると、不満にちかい、ある疑問がファンの間でささやかれるようになった。

 日本代表の試合は海外組じゃないと出場できないのか、というものだ。

 なんのスポーツであれ、敗戦というのはチームの立てなおしの機会を作れる。大きくいえば、分岐点でもある。だが、監督が手を加えなくとも、選手自身で奮起し軌道をもどすチームもあり、そこがスポーツのおもしろい要素ではある。

 ただ、今回の敗戦はいくつかの疑問を浮き彫りにした。たとえば、「あの選手がなぜ日本代表に選ばれないのか」という意見もその一つだろう。

 得点が決められないなら、それができるFWを招集するのがサッカーの“常”ではある。たとえザッケローニ監督の戦術は長期的で、難解な約束事があるとしても、4試合で6得点を記録しているサガン鳥栖のFW豊田陽平は彼が好む大型FWであり、招集しないは誰もが首をかしげたくもなる。

 現日本代表の主軸をになう選手たちとともに北京五輪を戦った豊田は、世界的に彼らほど有名ではないし、むろん「海外組」ではない。だが、昨季をふくめ自国で誰よりも結果を残しているのは異論をはさむ余地がないほどのものである。

 ザッケローニは日本サッカーを成長もさせたし、ある種の成功ももたらした。だからこそ、ヨルダンでの敗戦を決して無駄にしてほしくない。そして、国内の日本人選手にも才能ゆたかな選手たちがいることを忘れてほしくないのだ。


コメントをどうぞ