道中

2013 年 3 月 24 日

 26日のアジア最終予選ヨルダン戦をひかえたサッカー日本代表は、ドーハでカナダ代表と強化試合をおこない2-1で勝利した。

 およそ3年ぶりとなる地上波での放送がない試合にファンは不満をおぼえ、勝利した試合でも選手たちの表情や試合後のコメントからも喜ぶものは見当たらなかった。

 ザッケローニ監督もまた、『チャンスを無駄にすれば逆に失点する、よくあるサッカーの法則通りの試合だった』と、試合後にコメントしている。結果をしらず、このコメントだけを聞けば“敗戦の将”の言葉である。

 極端な意見ではあるが、サッカーというスポーツは相手の陣地でボールを保持できる時間が多ければ多いだけ、チャンスの数も必然的にふえるスポーツではある。保持能力のたかい本田圭佑と、相手陣地で、左サイドを蹂躙(じゅうりん)できる長友佑都を怪我で欠いた日本は、ボールのおさまりどころを探してしまう場面があまりに多すぎた。幸か不幸か、その状況下でも勝ちきれる強さが日本にはある。

 6月、W杯のプレ大会コンフェデレーションズカップが行われる。日本戦の前日、同大会グループリーグで同居するブラジルとイタリアがスイスで親善試合を行い、2-2の引き分けで試合を終えた。

 2-0とブラジルリードで前半を終えると、前線に効果的なパスをおくり続けたMFの選手と、チームを助けるには至らなかったFWの2選手を前半で見切りをつける。この交代が功を奏し、後半早々に2-2と試合をふりだしに戻すことに成功している。

 日本もカナダ戦で後半から3選手を代えたが、後半13分に同点弾をゆるし、勝ち越しまでに29分もの時間を必要とした。監督は試合をよみ、選手を交代させ、選手は交代の意味を理解し試合を方向転換させ、創造していかなければならない。

 日本がどこを目指すのか。

 カナダ戦は幸いにして、監督、選手に満足した様子はない。日本に足りなかったのは本田や長友ではないのも理解しているだろう。チームの主将である長谷部誠は、『セカンドボールをなかなか拾えなかったのとあとは球際ですね』と試合後、反省の色の濃いコメントを残している。

 セカンドボールは“読み”と“勘”が必要とされ、球際は“激しさ”が必要とされる。前者があるものは選手として巧者とよばれ、後者がない試合は観戦している者にとっていわゆる「グダグダな試合」とよばれてしまうのが通例である。

 代表の活動期間は年間をとおして多くはない。それでも結果を残さなければならないのが代表チームの責務でもある。

 W杯出場はもはや悲願ではない。26日、日本がどこを目指しているか、を示した試合を期待したい。その先にコンフェデレーションズカップがあり、2014年ブラジルW杯本大会がある。


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