2010 年 6 月 26 日

綺麗な月だった。
絵に描いた様な冬空の月だった。
そして、ここでワールドカップ。。
と思う位に小さなスタジアムだった。

テロ防止の検査が念入りに行われ、スタジアムに向かう。
昼間の気温を考えると夜の冷え込みは激しく。
所々、人垣の穴が出来たスタジアムからは熱気は伝わっては来なかった。
コスプレ大会と化したスタンドもより一層の私の熱気を奪っていく。
試合が始まり、審判の下すジャッジの基準も残っていた微かな熱気を奪っていった。
だが、松井がドリブルを始めると失われつつあった熱気も上昇し始める。
熱気が初めて沸点近くまで達したのは本田の得点であり、遠藤の得点であった。

何故か嬉しくはなく、この後の展開を考えると浮かれる事は出来無かった。
2−0というスコアはサッカーのゲームにおいて、最も隙を生みやすい。
だからかも知れない。
出来過ぎていた。
完璧以上の結果を残し、前半を終える。
ワールドカップに入り、勢いを力をつけて行くチームは多々見てきた。
2006年のガーナであり、2002年のトルコであり、数え挙げたらキリがない位に。
『いつか日本もこんな日が来たら。。』などと常に夢想にふけっていた。
ワールドカップ開幕前、どん底の評価、無関心、人々の口から史上最低の日本代表と揶揄され続けた日本代表が、その日本代表のここまでの躍進を予想出来た方はいったい何人いらっしゃるだろうか。

皆無に思う。

後半、不可解なPKを取られ、川島が1度は止めたものの2−1とされた時に不思議な感覚を覚える。
『このチームなら大丈夫』と。
大なり小なり長年、日本代表を見続けた私にとっては全く新しく、意味不明な感覚。
そう思った矢先の3点目。
本田自身、あそこでどうして岡崎にパスを出したかは知る由もない。
だが、これまでチームの柱としてチームを支え、ワールドカップ出場のゴールを決め、エースと呼ばれ、ワールドカップが近づくにつれベンチを温め続けた男への本田なりの御褒美だったのかも知れない。
私はそう捉えている。

後世まで語り続けて欲しい、語り続けなければならないと思わせてしまう程の美しいゴールであった。

試合が終わり、月を見上げるとスタジアムの屋根と重なる位にまで登っていた。
確実に時を刻み、歴史を刻んだ。
史上最低の日本代表と揶揄され続けた日本代表が史上最高の日本代表として歴史に名を刻んだ。

この経験こそが協会、選手、ファン、メディアに新しい概念を持たらし、成長を持たらす事を私は強く願う。


コメント / トラックバック 1 件

  1. 部長 より:

    いまの日本代表には火事場の糞力的な勢いがあるよね。どれだけノックアウトラウンドで通用するかみてみたい。ここからが本当の意味での世界パワーとの対戦。あと何試合、夢と試合と見せてくれるか、期待するだけ。

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